シミを手っ取り早く確実に消したいならシミ取りレーザー治療を受けるのが一番です。レーザーはシミを構成するメラニン色素にのみ働きかけてそれを分解したり、ターンオーバーを促すことでそれを除去します。

しかし一言にレーザー治療と言ってもレーザーの種類にはいくつかあり、ものによって特徴もありどのようなシミ・色素沈着に効果的なのか異なります。今回はシミ取りレーザーとフラッシュの種類をご紹介したいと思います。

 

レーザーの3つの特性

レーザーの種類をご紹介する前に、まずは種類を決定づける3つの特性について理解しておきましょう。この特性を理解することでご自身のシミを薄くするにはどのレーザーが最も適しているのかがわかります。

  1. 波長
  2. パルス幅
  3. レーザーとフラッシュの違い

 

1.波長

波長 長い 短い

レーザーの種類を決定づける要因の中でもっとも重要なのが波長です。波長というと少し難しいですが、要は一つの波のスタート地点から次に同じ個所を迎えるまでの長さのことで、これは図を見るとわかりやすいです。

左の絵では色を塗った並のスタート地点から次の同じ個所までの距離が短く、これを波長が短いと言います。一方右の絵ではスタート地点から同じ個所までの距離が長くなっており、これを波長が長いと言います。

今回はレーザーやフラッシュのお話ですので、それらの中に波長があり、そして使用する機器によって長い波長が存在していたり、またある機器では短い波長が存在していると考えておいてください。

 

波長と性質

波長 シミ 真皮 表皮

波長には長いものと短いものがあることがわかりました。では長い波長と短い波長で何か性質に違いがあるのでしょうか。

  • 長い波長:肌の奥まで届きやすい
  • 短い波長:肌の奥まで届きにくい

ヒトの肌は表面から表皮、真皮、皮下組織といった順に皮膚の層があり、たとえば比較的浅い個所である表皮にシミがある時は短い波長のレーザーでも十分対処でき、逆に奥深くの真皮にまであるシミには波長の長いもので対処します。

ちなみに医療レーザーでは使用しないほど極端に波長が短いもの(例:X線、UVBやUVAなどの紫外線)は健康に対して悪影響を及ぼします。レントゲンではX線を使用しますが、健康への影響から1日に受けられる量が決まっているのが良い例です。

 

また波長はレーザーの肌への浸透度合いだけでなく、肌のどの成分に働きかけるかが違います。シミと一言で言っても黒いものや茶色のもの、赤みを帯びたものなど様々で、波長を変えて皮膚内のそれぞれ異なった成分に反応させ改善します。

以下の表は波長とその長さによって反応する皮膚内の成分を表したものです。皮膚内の成分として毛や肌の色を構成している「メラニン」、血中に存在する「酸化ヘモグロビン」、ヒトの身体の90%以上を構成する「水」を挙げています。

波長 メラニン 吸収

シミ取りレーザーでは一般的に500nm前後~1000nm前後の波長を使用しますが、この図のように波長によりどの成分がどの程度反応するのかが違います。つまりどんなレーザーでも全てのシミが取れるのではなく、症状改善に適したレーザーを選択する必要があるのです。

例えば波長が短いものは皮膚表面での治療に向いており、この表からメラニン(黒)やヘモグロビン(赤色)への吸収率が高いので、比較的浅い個所にあり黒色または赤みを帯びたシミ改善に有効だとわかります。(ヘモグロビンへの吸収と書いていますが静脈・動脈まで届くわけではありません。)

逆に真皮にまでメラニンが落ちてしまっており黒色が強いシミに対してはヘモグロビンの吸収率が低くなった700前後の波長で照射します。メラニンへの吸収率が少し落ちますが出力をうまく調整することで反応を高めます。

 

さらにはシミの改善ではなく肌のたるみ改善(リフトアップ)やシワの改善は非常に長い波長で真皮にまで光を届け、真皮にある線維芽細胞等を刺激します。刺激を受けて引き締め効果が出たり、コラーゲンが生成されてシワを改善します。

波長はレーザー・フラッシュの中に存在する波の長さのことで長いほど肌の奥に浸透しやすく、短いほど表面で作用します。また、長い波長ほど肌のたるみやシワ改善に向いており、短い波長はシミの改善に向いています。

波長 シミ 真皮

 

2.パルス幅

パルス幅 メラニン レーザー

パルス幅はレーザーが照射がされている時間のことで0.1秒や1マイクロ秒(100万分の1秒)、1ナノ秒(10億分の1秒)など現実離れした短さで表されます。脱毛で使用するレーザーではマイクロ秒、シミで使用するものはナノ秒のパルス幅であることがほとんどです。

パルス幅はレーザーのターゲット(メラニン等)への選択性(絞り込み具合)やレーザーの浸透度合い、威力に関係してきます。パルス幅が短いほど選択性と浸透度合いが高まり威力も強くなり、長いとその逆になります。

ただし、幅が短いと効果が高いのはその通りなのですがその分一時的な肌へのダメージも大きくなります。反対にパルス幅が長い(ロングパルス)と痛みやダウンタイムは少ないものの、短パルスの時よりも少し効果が落ちてしまいます。

パルス幅が長い短いをわかりやすく例えると以下のような感じです。

  • パルス幅が長い:コンロの強火で一気に熱を加える
  • パルス幅が短い:電子レンジでゆっくりと熱を加える

 

レーザーだけにパルス幅があるのではなく、フラッシュも立派な光なのでそれが存在します。しかしレーザーに比べるとフラッシュのパルス幅はかなり長く、ミリ秒単位のものがほとんどです。(その分肌へのダメージは少ない。)

フラッシュ機器の中でもパルス幅に違いがあるものもあります。しかしミリ秒単位でほんの少し幅が異なっていてもほとんど効果や痛みで変化が出るものではありませんので、フラッシュではパルスの差はないと考えていいでしょう。

 

3.レーザーとフラッシュの違い

フラッシュ 波長 IPL

こちらはレーザーの特性のお話ではありませんが、そもそもレーザーとフラッシュは何が違うのかをお伝えします。簡単に言ってしまえばレーザーは1つの光しか放出せず、フラッシュは多数の光を放出するのです。

ここで言う光とは波長のことです。例えばレーザーの場合は755nmの波長を出す機器を使用すれば755nmのレーザーしか出しませんが、フラッシュは755nm、500nm、1000nmなど様々な光を照射できるのです。

  • レーザー:単一の波長の光しか出さない
  • フラッシュ:複数の波長の光を出す

 

威力について言えばもちろん単一の波長に絞っているレーザーの方が強いです。しかし、たとえば755nmのレーザー機器では、改善のために500nmほどの波長が必要な赤みを帯びたシミに対しては効果がありません。

一方フラッシュは500nm~1200nmまでの様々な波長の光を照射しシミを消したりリフトアップ、シワの改善をします。しかしパルス幅がミリ秒のものがほとんどなのでレーザーに比べるとその威力は落ち、どちらかと言えば美容向きになります。

 

シミ改善に効果的なQスイッチレーザー

QスイッチレーザーのQは「Quallity」のことで、レーザーが放出される前に機器の中で光が振動している質の高さのことを指します。Qスイッチレーザーではその振動が高品質で短いパルス幅の光を出すことができることからQスイッチと呼ばれています。

雀卵斑(そばかす)、炎症性色素沈着、(光線性)花弁状色素斑、肝斑、老人性色素班、脂漏性角化症のいずれのレーザー治療もQスイッチレーザーを使用するのが基本で、Qスイッチには3つの種類があります。

  1. Qスイッチアレキサンドライトレーザー
  2. Qスイッチルビーレーザー
  3. QスイッチYAGレーザー

 

これら3つの違いは波長やパルス幅の違いです。つまりそれぞれの用途はシミの症状によって異なります。ただし院によっては一つのレーザーで色々なシミに対応されているところもあり、扱い方は様々です。

 

1.Qスイッチアレキサンドライトレーザー

Qスイッチアレキサンドライトレーザーは755nmの波長、50nsec~100nsecのパルス幅でメラニンに採用してシミを改善します。755nmの波長は日本人の肌にとって刺激の少ない波長であり、50nsecという短パルスでメラニン色素に限定して反応させます。

治療の対象は太田母斑などの黒アザや外傷性色素沈着、外傷性刺青などに有効で、これらの治療では保険適用になります。またこれ以外にも雀卵斑、炎症性色素沈着、光線性花弁状色素斑、老人性色素斑、刺青・アートメイク除去にも有効ですが、これらには保険適用外です。

その波長の長さから黒色のシミに対して使用されることがほとんどです。例えば青・アートメイク除去では黒色やそれに近い緑色、青色の色素を除去することができます。

スペック(性能)
波長 755nm
パルス幅  50~100nsec
届く範囲 真皮
メリット 日本人の肌に合った波長で肌への負担が少ない
完治までの目安 薄いシミ:1、2回   濃いシミ:3~5回
治療対象  保険適用:太田母斑(黒アザ)、外傷性色素沈着、外傷性刺青   保険適用外:雀卵斑、炎症性色素沈着、光線性花弁状色素斑、老人性色素斑、脂漏性角化症、刺青・アートメイク除去

 

2.Qスイッチルビーレーザー

Qスイッチルビーレーザーは694nmの波長で肌のメラニンに反応させつつも、ヘモグロビン(赤色)へはほとんど反応させない点で褐色(黒・茶色系)の色素沈着に対して大変有効で、その色への選択性はアレキサンドライトよりも優れています。

肌の真皮やその下の皮下組織には毛細血管が存在し、通常のレーザーでは血管中のヘモグロビンに反応して若干負担になることがあります。しかし694nmの波長で完全にそれを回避することで、負担の少ない治療が受けられます。

20nsecほどのパルス幅で黒メラニンへの選択性、浸透度合い、威力も抜群なので濃いシミに対して有効です。その強い威力でメラニンだけでなくメラノサイトを損傷させることもできるとされており、慢性的にシミが出来やすい方にも有効です。

スペック(性能)
波長 694nm
パルス幅 20nsecほど
届く範囲 基底膜(表皮の一番深部)
メリット 黒色メラニンへの選択性が強く効果的
完治までの目安 薄いシミ:1、2回   濃いシミ:3~5回
治療対象  保険適用:太田母斑(黒アザ)、外傷性色素沈着   保険適用外:雀卵斑、炎症性色素沈着、光線性花弁状色素斑、老人性色素斑、、脂漏性角化症、ほくろ・イボ除去、刺青・アートメイク除去

 

3.QスイッチYAGレーザー

3つのQスイッチレーザーの中でも唯一波長の切り替えができる高性能なレーザーです。波長は表在性の色素沈着に有効な532nmと、真皮にまでメラニンが沈着する深在性に有効な1064nmで照射可能です。

そして色素沈着の中で女性ホルモンの乱れなどで出来やすい肝斑に対して最も有効なのがQスイッチYAGによる治療です。これはYAGレーザー自体が肌にムラなく均一に吸収され、照射による炎症の発生を回避できるためです。

またその波長の性質により産毛にも効果があり、肝斑と同時にホルモンの乱れにより産毛が少し出てきたような場合でもシミ治療をしつつ脱毛もできるので一石二鳥です。パルス幅は6nsec前後と非常に短く選択性や威力も非常に高いです。

スペック(性能)
波長 532nm/1064nm
パルス幅 6nsec前後
届く範囲 表皮~皮下組織
メリット 波長の切り替えができ肝斑の改善にも有効
完治までの目安 薄いシミ:1、2回   濃いシミ:3~5回   肝斑には5回以上
治療対象  保険適用:太田母斑(黒アザ)、外傷性色素沈着   保険適用外:雀卵斑、炎症性色素沈着、光線性花弁状色素斑、老人性色素斑、肝斑、脂漏性角化症、真皮メラノサイトーシス(ADM)、ほくろ・イボ除去、刺青・アートメイク除去

 

炭酸ガスレーザーとフラッシュ(IPL)

Qスイッチレーザーの他にも色素沈着を改善するレーザーとフラッシュが存在します。これらはQスイッチと名前がつかないタイプのものですので、上記の3つの機器とは少しタイプが異なり治療対象の症状も異なります。

 

炭酸ガスレーザー

炭酸ガスレーザーは波長が10.6マイクロメートル(10,600nm)という非常に長い波を持っており皮膚の奥深くまで浸透します。波長が長いので水分によく反応し、水分を含んでおり皮膚の奥まで影響を及ぼしている組織(ニキビやホクロ、イボ等)の改善に役立ちます。

例えばニキビ治療の場合はレーザーが皮膚内部の膿(脂)に届きます。膿は水分を含んでいますのでそれに反応して熱を持ち、次の瞬間には凝固して脂肪酸や菌などは死滅します。殺菌が完了するのでニキビ炎症が広がることなく完治する形です。

ホクロやイボ(脂漏性角化症)の場合も同様で、それらの組織がレーザーに反応して一瞬で高熱を持ちます。高熱で水分が完全に飛ぶとホクロやイボはかさぶたの状態になり、数日後には外傷性のかさぶた同様取れてなくなります。

スペック(性能)
波長 10.6マイクロメートル
届く範囲 皮下組織
メリット 皮膚の奥にまで影響しているシミなどにも有効
完治までの目安 基本的に1回
治療対象  保険適用:ニキビ炎症   保険適用外:ホクロ除去、脂漏性角化症、イボ

 

フラッシュ(IPL)

フラッシュの特性は既にお伝えした通りで、いくつもの波長の光を同時に照射することで皮膚表面のメラニン除去から真皮の線維芽細胞を刺激してコラーゲンの生成を促すことまで幅広く作用するものでした。

500nmの波長ではヘモグロビンやメラニンに反応しますので表面のシミを改善したりお肌のトーンを明るくし、1000nm以上の波長で肌の奥深くまで作用してリフトアップアやハリを与えます。このように1つの症状だけでなく複数に作用して美容効果を高めます。

フラッシュはレーザーに比べるとパルス幅が長いので肌に対してゆっくりと熱を加える形になります。したがって痛みはほとんど感じることなく、治療後のダウンタイムもほとんどなく効果を実感することができます。

スペック(性能)
波長 500nm~1200nm
パルス幅 0.1秒ほど
届く範囲 表皮~皮下組織
メリット 表皮のシミから真皮のコラーゲン生成にまで作用
完治までの目安 3~5回
治療対象 表面のシミ・くすみ、ニキビ炎症、赤み、シワ、毛穴の開き、たるみ

 

Qスイッチやフラッシュがおススメのクリニック

品川スキンクリニック

Qスイッチレーザー 品川

施術名 Qスイッチヤグレーザー、Qスイッチルビーレーザー
施術の種類 Qスイッチ
料金 Qスイッチヤグ1回5,000円~、Qスイッチルビーレーザー1回5,000円~(品川院限定)
展開地域 北海道、仙台、新潟、東京、神奈川、埼玉、千葉、静岡、愛知、大阪、岡山、広島、福岡、熊本、鹿児島、沖縄
効果 シミ・そばかすの改善、美肌効果
効果の度合い
品川スキンクリニック|公式サイト