肝斑 レーザー

シミ、色素沈着の中で最も厄介なのが肝斑で、しかもこれになりやすいのが30~40代の女性ということでまだまだ美容に力が入る頃に年齢にできるものであるため、その改善方法や対処に困る方も多いと思います。

肝斑も他の色素沈着と同じようにメラノサイトからメラニン色素が生成されることで発現します。しかし、どのような要因で肝斑が発生するのか、そしてなぜ30~40代の女性にその症状がみられるのかはまだはっきりとわかっていません

原因がはっきりとしないので改善方法もこれと決まったものがありません。薬用化粧品や医薬部外品で多少ましになることはあっても根本からシミを消すには至らずに、また再発してしまうケースも多いでのす。

 

肝斑の原因

肝斑 シミ

明確にその原因がわかっていないものの、30~40代の女性がなりやすいと言うデータから女性ホルモンの分泌が肝斑に関わっていると言われています。ホルモンバランスが乱れやすい妊娠時や更年期にも発症率が高いようです。

 

妊娠時

妊娠

中でも肝斑になりやすいのはやはり妊娠時で、シミが鼻から下、頬、あごにかけてできるため欧州では「妊娠のマスク」と呼ばれています。なんとも皮肉たっぷりの呼び方ですが、その症状と発症しやすい時期を考えるとそ確かにその通りです。

カリフォルニアにある研究開発や製品開発、化粧品ブランドの評価を行うドクタークラウディアのクラウディア・アギーレ博士は、肝斑を発症する妊娠女性について以下のようなデータと見解を示しています。

Melasma occurs in 10–15 percent of pregnant women and in 10–25 percent of women taking oral contraceptives.For decades, melasma was known as ‘the mask of pregnancy,” with the assumption that it must be caused by increases in female hormones due to pregnancy or the Pill.The reality is that we still do not clearly understand the hormonal link to melasma.

引用元:Melasma Unmasked|The International Dermal Institute

「妊娠女性の10~15%は肝斑を発症しており、さらに経口避妊薬(ピル)を服用している妊婦は10~25%の割合で発症しています。数十年の間、肝斑は「妊娠のマスク」として認知され、その原因は妊娠やピルによる女性ホルモンの増加にあるに違いないと思われていました。ただ実際、我々はまだ肝斑とホルモンの関連性を明白に解明できていないのです。

 

つまり肝斑が妊娠によって変化するホルモン分泌の関連性が考えられるものの、具体的にそれがどのように影響しいているのかはっきりとわからないのです。妊娠だけでなく、ピルによってバランスが変かする際にも肝斑が出来やすくなるとのこと。

 

原因は複数

肝斑の原因の一つには、妊娠時のホルモンバランスの影響があると言えます。しかし妊娠していない女性でも肝斑を発症することがあり、さらには男性でもそのシミができますので妊娠だけが原因ではなさそうです。

 

肝斑の原因

肝斑を含むシミを構成しているのはメラニン色素ですが、これはメラノサイトで生成されて皮膚の上部の表皮中へと放出されます。これが生成される要因も様々で紫外線、ストレス、ホルモン、炎症などが挙げられます。

例えば紫外線で言えばUVBが一重項酸素という毒性の高い活性酸素を発生させ、これから肌を守るためにメラニンが生成されます。ストレスのケースでは、それを過剰に感じるとニューロンでメラノサイト刺激ホルモンであるメラノトロピン(MSH)放出され、メラニンが生成されます。

女性ホルモンではプロゲステロンという妊娠中に乳腺などを発達させるホルモンがメラノサイト(メラニンを生成する場所)を刺激しメラニンが作られ、ニキビや切り傷でもその炎症を抑えるためにメラニンが生成されます。

 

炎症については関連性が考えられませんが、それ以外の紫外線、ストレス、ホルモンは妊娠中にも影響があるでしょう。特に新しい命ができ身体を守ろうとする反応が出やすい時期は肝斑も発現しやすいと言えます。

つまり肝斑は一つの要因によるものではなく複数あり、何か一つを気を付ければ良いわけではありません。また過剰に「肝斑にならないように」と思うこともストレスにつながりますので、気にしすぎも良くありません。

 

肝斑を作らないために

肝斑 予防

肝斑は出来てしまうと改善が難しいです。ホルモンバランスが整うことで綺麗さっぱりシミがなくなる方もいらしゃいますが、そうでない人の方が多いです。したがって肝斑が出来てからの対応ではなく事前の対策が重要です。

 

肝斑予防に効果的な成分

肝斑の組織を細かく見るとその原因は他のシミと同様メラニン色素ですので、メラニンが生成過程を阻害する作用を持つ成分が効果的です。以下、医療機関で肝斑治療においてよく利用される成分を挙げてみます。

  • トラネキサム酸
  • ビタミンC(誘導体)
  • ビタミンE
  • グルタチオン

 

トラネキサム酸

トラネキサム酸

メラニン発生には、それを誘発する情報伝達物質と言うものがあります。これが皮膚で発せられるとメラノサイトでメラニンの生成が始まり、肌に放出され、これが過剰になるとシミになります。トラネキサム酸はその情報伝達物質の働きを阻害する成分です。

トラネキサム酸は止血剤として使用される成分で天然の成分ではなく人工アミノ酸です。したがって食品から摂取できるものではありません。さらにはその成分上血を固まりやすくする副作用も確認されており、内服薬使用の際はできれば医師の判断の下使用することをおススメします。

トラネキサム酸が配合されている市販の内服薬・外用薬としては第一三共ヘルスケアが出している「トランシーノⓒシリーズ」が最も有名ではないでしょうか。肝斑専用の「トランシーノⅡ(内服薬)」もありますので、医師と相談しながら試してみてはいかがでしょうか。

 

ちなみにトラネキサム酸は経皮吸収(お肌に塗る)しても表皮にまで浸透しないのでほとんど効果はありません。経皮吸収させるためにはイオン導入や超音波導入の併用が必要になりますので、医療機関でしか経皮吸収の効果は得られないでしょう。

 

ビタミンC誘導体

ビタミンC誘導体 メラニン

ビタミンC誘導体はシミに対して万能な作用を持っており、シミが生成される前の段階でそれを阻害する効果を発揮したり、出来てしまったシミ(メラニン)を無色化して消す・薄くする効果がありますので、シミ取りでは大変重宝される成分です

ビタミンC自体は不安定な成分で体内に吸収しても酸化・分解されやすく身体で栄養になりにくいものですが、これを誘導体にすることにより安定性を保ち効果を発揮します。経皮吸収にも優れていますので化粧品や医薬部外品で安全に利用できます

ただしビタミンC誘導体にも欠点があり、乾燥肌の方には刺激になり肌荒れを招いてしまいます。ですので乾燥肌の方はあまりおススメできず、もしも使用するならビタミンC誘導体の中でも刺激が少ないAPPS(パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na)配合のものを使用されると良いでしょう

 

ビタミンCは色々な食べ物から摂取できブロッコリー、レモン、ピーマン、キウイ、ロースハムなどがそれを多く含んでいます。経口摂取(食べる)では吸収したビタミンCが身体全体に使われるのでシミだけに作用するわけではありませんが優れた成分なのでぜひ摂取しておきましょう。

ちなみに、成人の1日のビタミンC摂取目安量は100mgです

 

ビタミンE

ビタミンE 抗酸化

これは肝斑の発生原因に毒性の強い活性酸素が関わっていればの話りなりますが、ビタミンEは非常に強力な抗酸化作用を持っており活性酸素を除去します。メラニン生成の要因には活性酸素の発生が関係しているので、活性酸素の除去はメラニン生成の防止になるわけです。

活性酸素は健康な細胞を破壊するためシミだけでなく肌のたるみやシワの原因にもなっています。したがって肝斑専用の成分というよりはアンチエイジング全般に作用するものという感覚で使用します。

 

ビタミンEは油溶性の物質などで肌への浸透も良いので、化粧品で(α、β、γ、δ)トコフェロール(ビタミンEのこと)が配合されているものを選ぶと良いでしょう。食品ではいくらやイワシ、明太子、たらこなどがビタミンEを多く含んでいます

 

グルタチオン

グルタチオン シミ

グルタチオンの成分の中にはシステインというアミノ酸が含まれており、これはメラニンが生成される際に黄色メラニンに変化するように働きかける物質です。一方システインが働かずに元の物質が酸化や重合してしまうと黒メラニン、シミの原因になります。

ビタミンEは強い抗酸化作用を持って活性酸素を除去するといいましたが、グルタチオンも同様にその作用を持っており除去の働きをします。これによってメラニンが過剰に生成されてしまうのを防止します。

 

グルタチオンは非常に経皮吸収しにくい成分なので化粧品や外用薬に含まれることはあまりありません。なので、化粧品では肌からそれを吸収するのではなく、もともと私達の身体に存在するグルタチオンを引き出す作用をもつ成分を配合したものが有効です。

グルタチオンを引き出す有効な成分にはサイシンエキスがあり、これを配合している化粧品はメナードの「薬用リシアルEXシリーズ」のものが有名で、他にはカバーマークの「セルデュシリーズ」もそれを配合しています。

食品ではアボガド、カボチャ、キウイフルーツ、ブロッコリー、キャベツ、レバー肉、小麦胚芽などに含まれています。カボチャ、キウイ、キャベツなどは比較的食卓に並べやすい食べ物なので一度試してみると良いでしょう。

 

出来てしまったシミには

出来たシミ

医療機関で肝斑治療の際に処方される薬に踏まれる成分を4つ挙げましたが、この中で出来てしまった肝斑を薄くする効果があるのはビタミンC誘導体のみです。なので既存のシミに対してはビタミンC誘導体(濃度3%以上)を使用して対処しましょう。

あるいは肌の漂白剤とも呼ばれるハイドロキノン配合の化粧品を使用するのもありです。しかしこれは非常に強力な成分で刺激も強いので化粧品では配合量が2%以内と推奨されており、3%以上の外用薬は医師の処方の下で使用する必要があります

 

肝斑を効果的に除去するYAGレーザー

Qスイッチレーザー 波長

QスイッチYAGレーザーは532nmという短い波長で表面のシミに効果を出しつつ、1064nmの皮膚奥に作用する波長にも切り替えが可能で肝斑治療に最も効果的なレーザーです。波長だけでなくパルス幅が非常に短く選択性や威力が高いのも特徴です。

肝斑の特徴としてシミの大きさやメラニン色素の集中度合、色素沈着の深さが様々で、1つ波長だけではうまく改善することができませんでした。治療どころか適切でないレーザー波長を受けるとさらにシミが濃くなったり火傷の可能性もあります

しかしQスイッチYAGでは、波長切り替えによって浅い個所のシミには短い波長で、深い個所のシミには長い波長で治療することができ、肝斑の症状に合わせたレーザートーニングを受けられるようになりました

 

QスイッチYAGレーザーの照射回数

先ほども言いましたように肝斑はそれを構成しているメラニンの集中度や深さがバラバラで、適切な波長で照射しないと悪化の原因になります。そのため切り替え可能なQスイッチYAGでも、非常に弱い出力での照射を繰り返して治療します。

症状の度合いや体質によって違いはあるものの完治までには5回以上の通院(照射)が必要です。通院間隔は1~2週間ほどで、初めはターンオーバーと共にメラニンが浮き上がってくるので濃くなったように見えますが、その後すぐに古い角質とともに落ちていきます。

 

レーザーと薬の併用

レーザートーニングで色素沈着を治すケースでは、同時にホームケアとしてトラネキサム酸やビタミンCなどの内服薬、ハイドロキノン配合の外用薬を処方されるケースがほとんどです。レーザーでメラニン除去、内服薬でメラニンの抑制、外用薬でアフターケアという三位一体の形で治療を進めていきます

ただし内服薬を服用しなければならない点や、レーザー照射で痛みのストレスを受けることもあるので妊婦の方はレーザートーニングを受けられないことがります。その場合は出産後に治療を開始する形になります。

 

最新型のQスイッチYAGレーザー

肝斑治療を中心に色々な色素沈着治療で活躍するQスイッチYAGレーザーですが、一体どのような機器があるのでしょうか。ここでは最新型で肝斑治療に適している2つのQスイッチYAGをご紹介します。

  • スペクトラ(SPECTRA)
  • MedLite (メドライト) C6

 

Qスイッチには様々な機器がありますが、これまでのレーザーでは照射が均等に出来ないものでした。レーザー光の先端がまばらで、エネルギーの集まりが不均一でしたのでメラニンへの吸収度にムラが出ていました。

ムラが出るとメラニン以外の個所にまで熱が広がってしまい炎症性色素沈着や火傷の原因にもなりますスペクトラとメドライトC6はその点を改善し、メラニンに均等にレーザーを反応させて処理のムラを防止します

またパルス幅が非常に短く選択性、浸透性、威力が高いのも特徴です。

 

スペクトラ(SPECTRA)

ルートロニック社製のスペクトラはお伝えした通りレーザーの波形を均一な状態(トップハット型)にして照射可能なので処理にムラがでないのが特徴です。照射に関しても出力が弱いものを数回の通院に分けて受けますのでダウンタイムの心配はいりません。

スペック(性能)
波長 532nm/1064nm
パルス幅 5~7nsec
径(照射口の大きさ) 8mm
届く範囲 表皮~真皮
肝斑への効果
完治までの目安 5~8回
メリット 弱い出力での照射を繰り返すため肌への負担が非常に小さい。また径が8mmと大きめなので治療時間や照射回数も少なくて済む。
デメリット 稀に赤いブツブツがでることも。

 

MedLite (メドライト) C6

サイノシュア社性のメドライトC6もレーザーの波形が均一になるトップハット型を採用しており、メラニンがムラなく光を吸収するため火傷などの心配がいりません。径の大きさ以外はスペクトラとほとんど同じです。

スペック(性能)
波長 532nm/1064nm
パルス幅 5~20nsec
径(照射口の大きさ) 2、3、4、6mm(532nm)  3,4,6,8mm(1064nm)
届く範囲 表皮~真皮
肝斑への効果
完治までの目安 5~8回
メリット スペクトラと同じく低い出力で照射を繰り返すため肌へのダメージが小さい。径の切り替えができるのでシミの大きさに合った照射が可能。
デメリット 稀に赤いブツブツがでることも。

 

スペクトラとメドライトC6の違い

肝斑治療で活躍するこの2つの機器ですが、何が違うのかと言うと実はそこまで違いはありません。波長は同じですしパルス幅もほとんど同じです。違いと言えば径の切り替えができる点くらいです。

 

料金について

料金 スペクトラ

料金にはスペクトラでの治療であろうとメドライトC6の治療であろうと院によってバラバラです。なのでスペクトラの方が径が大きいので物理的に照射回数が少なく済み、料金がメドライトC6よりも安いなんてことはないようです。

例えばレーザー照射プラス内服薬・外用薬付きで料金設定をされている院もあれば、内服薬・外用薬はオプションとして設定されているところもあります。またレーザー照射+トラネキサム酸やビタミンCのイオン導入で1セットのところもあります。

治療方法だけでなく顔を部位で分けて(主に顔全体と両頬の2種類)料金設定をしている院や、そこからさらに回数ごとの料金になっている院もあります。料金体系はかなり多様なのでお目当てのレーザー機器を用意している院を2、3件に絞って比較するのが良さそうです。

 

肝斑以外の治療にも効果的

QスイッチYAGレーザーは波長の切り替えにより肝斑以外の色素沈着にも効果を発揮します。さらには長い波長により皮膚内の水分やヘモグロビンに軽い刺激を与えることで代謝を良くすると言う具合に、フラッシュのような作用もあるのです。

したがって以下の悩みを持つ方にも有効です。

  • 老人性色素斑
  • 雀卵斑(そばかす)
  • ベッカー母斑
  • 太田母斑
  • ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
  • 炎症後色素沈着
  • 青色母斑
  • タトゥー(刺青)
  • 毛穴の開き

 

これらの治療では肝斑へのレーザー照射時と料金は異なることがほとんどですので、料金表をちゃんと確認した上で施術を受けるようにしてください。

 

肝斑治療のおすすめクリニック

品川スキンクリニック

メドライトC6

施術名 メドライトC6
施術の種類 Qスイッチレーザー
料金 初回2,800円(頬のみ)
展開地域 北海道、仙台、新潟、東京、神奈川、埼玉、千葉、静岡、愛知、大阪、岡山、広島、福岡、熊本、鹿児島、沖縄
効果 肝斑、その他シミの改善
効果の度合い
品川スキンクリニック|公式サイト

 

湘南美容外科クリニック

スペクトラ 美容外科

施術名 レーザートーニング
施術の種類 レーザートーニング
料金 全顔トライアル1回7,500円
全顔トライアル3回15,000円
展開地域 北海道、宮城、東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、静岡、大阪、京都、兵庫、広島、岡山、福岡、沖縄
効果 肝斑、その他のシミ改善
効果の度合い
湘南美容外科クリニック|公式サイト