ニキビ クレーター

医療美容に興味がある方なら一度はフラクショナルレーザーと言う言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。フラクショナル(fractional)とは「ほんの少し」の意味があり、レーザーでほんの少しだけ皮膚に穴を開け、治癒によって綺麗な肌に再生させる治療です。

レーザー治療と言えばメラニン色素に熱を持たせて分解し、肌のターンオーバーと共に皮膚から剥がれ落とす形が一般的です。しかしフラクショナルレーザーはそのようなタイプとは大きく異なり、肌の凸凹やたるみの改善に向いています。

CO2フラクショナルレーザーがよく使用されるのはニキビ跡の治療の場面ですが、なぜニキビ跡の改善にフラクショナルレーザーが効果的なのでしょうか。ニキビ跡の症状やレーザーの仕組みについて詳しく見ていきましょう。

 

ニキビ跡のクレーターはどうしてできる?

ニキビ跡のお話ですが、その前に発生中のニキビについていくつか説明しておきたいと思います。ニキビには種類があり、特定のニキビが発生した場合にのみニキビ跡やクレーターが出来てしまう可能性があります。

  • 白ニキビ
  • 黒ニキビ
  • 黄色ニキビ
  • 赤ニキビ

ニキビには以上の4つのタイプがあり、それぞれ症状が違います。白ニキビが一番軽い症状のニキビで、赤ニキビが重い症状のニキビです。もちろん白ニキビが段階を経て赤ニキビに発展することもあります。

ここではニキビ跡に関係する内容なので、これら4つを2つのグループに分けたいと思います。(ニキビの4つの種類についての詳細はこちら → ニキビ跡の赤みとレーザー治療の効果や費用と回数

 

ニキビ跡クレーターになりにくいニキビ

白ニキビ 黒ニキビ

  • 白ニキビ、黒ニキビ

白ニキビや黒ニキビの特徴は凸状に膨れ上がっているものの肌に赤み・痛みが一切ない点です。つまり皮膚で炎症を起こしておらず、ニキビの中に詰まっているのは皮脂やアクネ菌によって分解されたグリセリンや脂肪酸です。

黒ニキビは白ニキビの皮脂などがサビの様に酸化して固まってしまい黒ずんだものです。これらのニキビは完治後にその跡がほとんど残らないので潰してしまってに問題ありません。ただし潰した後はアルコールや化粧水などで清潔にしておきましょう。

 

ニキビ跡クレーターになりやすいニキビ

黄色ニキビ 赤ニキビ

  • 黄色ニキビ赤ニキビ

これらのニキビの特徴は皮膚が赤くなって炎症を起こしている点です。黄色ニキビでは凸状にクリーム色の出来物ができており、その周りが少し赤くなっていたりします。赤ニキビは凸状になっているものの赤い炎症のみで膨れ上がっています。

赤ニキビでは表面に黄色ニキビの様に凸状のクリーム色の出来物がありませんが、場合によってはそれが毛穴内部に出来てしまっているケースもあります。あるいはそのような「汁」を一切含まないニキビの可能性もあります。

白ニキビ、黒ニキビのできものに含まれているのは皮脂等でした。一方こちらのニキビで含まれているのは「膿」です。つまり死んだ細胞や細菌が入っており、潰すとそれが広がり炎症が他の個所に広がる恐れがあるので、触らずにそっとしておくのが一番です。
(炎症で犠牲になった細胞や菌などの物質が膿になります。)

 

なぜ黄・赤ニキビはクレーターに出来やすいのか

白ニキビ・黒ニキビは黄色・赤ニキビに発展しない限り潰してもニキビ跡はほとんど発生しません。ではなぜ黄・赤ニキビはクレーター跡になりやすいのでしょうか。それを理解するためにはまずは皮膚の性質を少し見ておきましょう。

 

お肌の構造

お肌はいくつもの層で成り立っており、大きく3つの層に分けることができます。

  • 角質層
  • 表皮
  • 真皮

肌 構造 表皮 真皮

角質層が最も表面であり、次に表皮、真皮の層が奥にあります。細かく言うと角質層は表皮に入るのですが、あとで説明するターンオーバーの際には独立して機能を果たしているので一つの層として考えます。

層と言っても決して厚みのあるものではなく顔に限って言うと角質層が0.01~0.03mm、角質層を含む表皮が0.1~0.3mm、真皮が1~3mmほど言われています。爪を立ててギュッと押し込めば角質層から真皮まで全て傷がつくほど薄いものです。

 

ターンオーバー

ターンオーバー

ターンオーバーとは肌の新陳代謝のことです。表皮の一番奥には基底層と呼ばれる細胞を生成する工場があります。この工場では常に新しい細胞が作られ、できた細胞はどんどん下から上に押し上げられてあがっていきます。

そして表皮の最上部である角質層にたどり着いた細胞はそこで角質細胞に変身し、異物の侵入や外部刺激から皮膚を守る役割を果たします。そして一定期間役割を果たした角質細胞は角化細胞(死んだ細胞)となり皮膚から剥がれていきます。

この流れがターンオーバーで、ヒトの肌は常にこれを繰り返しています。

 

真皮

真皮層 線維芽細胞 コラーゲン

真皮では基底層や表皮の様に細胞が次々作られるわけではなく、水分やヒアルロン酸などの基質(主体になる物質のことで真皮の約8割を占めています)とそれを網状に囲むコラーゲン、エラスチンがあります。肌の弾力やハリを保っているのはこの真皮です。

真皮には毛細血管が通っており、静脈や動脈で運ばれてきた酸素、水分、栄養分をここに届ける役目を果たしています。ニキビを潰すと血が出てくることがありますが、それは毛細血管の血ですぐに止血します。

 

真皮はターンオーバーしない

真皮はターンオーバーしない

表皮の一番奥にある基底層では細胞が常に生成されていますが、真皮ではそのように新たに細胞が作られ続けることはありません。幹細胞(自分を複製する機能を持つ細胞)によってコラーゲン等を生成する線維芽細胞が作られるものの、常にそれが起こっているわけではありません。

そもそも真皮の基質は細胞ではなく水分やヒアルロン酸と言った「成分」ですので、これが不足すれば線維芽細胞が成分を補う形になります。その線維芽細胞が損傷したり機能低下してしまえば、肌のハリはなくなりたるみや凸凹、クレーターの原因になります。

表皮の様に細胞の生成が活発ではなくため真皮がダメージを受けてしまうのは厳禁です。

 

黄・赤ニキビの炎症と真皮へのダメージ

ニキビ クレーター 炎症

お肌の構造を理解したところでいよいよニキビやクレーターのメカニズムについて見ていきす。

まずニキビがどこで出来るのかですが、これはほぼ毛穴から始まります。ニキビの原因アクネ菌は毛穴で分泌される皮脂をエサにしてこれを脂肪酸やグリセリンに分解します。これらの成分は毛穴から出て皮脂膜として私たちの皮膚をバリアしてくれます。

しかしアクネ菌はそれだけでなく「コプロポルフィリン」という有機化合物も同時に生成しており、これは紫外線を受けることで毒性の強い活性酸素に変身します。この活性酸素は酸素を嫌うアクネ菌を除去するので、本来は私たちにとって良い働きをしてくれます。

ただ、この活性酸素の量が増えすぎてしまうと健康な細胞まで攻撃し始めて、結果として炎症を引き起こす赤ニキビが発生します。皮脂やアクネ菌は毛穴の一番奥にまで降りることもあるため、真皮よりもさらに下の皮下組織にまで赤ニキビが及んでいることもあるのです。

 

炎症による真皮破壊

炎症 毛穴

黄色ニキビ、赤ニキビでは炎症が起こって毛穴周辺の皮下組織、真皮、表皮、角質層がどんどんダメージを受けていきます。ダメージを受けたことで一部の細胞が死滅し膿になります。お伝えしたように膿には死んだ細菌等も含まれます。

真皮や皮下組織までもが損傷していると、それだけ回復が遅くなります。真皮にもダメージを受けた際に修復する能力はありますが、表皮のように全体を新しい細胞で治すのではなく傷ついた箇所のみに薬を塗るような形でしかありません。

そのため炎症で毛穴が大きく広がったりくぼんでしまったりすると、真皮はその形状を記憶したまま傷ついた表面のみを治療し始めます。つまり粘土に指で穴をあけたときの様に、その形のままになってしまうことがあるのです。

皮膚の治癒能力が正常なら炎症前の形に戻ろうとしますが弱まっているとそうなります。

 

ニキビ跡クレーターのタイプ

クレーターのタイプはいくつかあり、ここでは発症の多い3つのタイプをご紹介します。同じクレーターのタイプでも真皮までのものもあれば、皮下組織にまで達しているものもあり、その深度は色々です。

  • 逆三角形タイプ
  • 長方形タイプ
  • 混合色素沈着タイプ

ニキビ跡 クレーター 種類

図のように逆三角形や長方形のようにクレーターができ、なおかつ色素沈着が起こっているケースもあります。この場合レーザー治療で治る事もありますが、クレーター治療と色素沈着治療の2つを別々に受けないと改善しないこともあります。

 

改善策は?

絆創膏

真皮が炎症の形状記憶をしたまま再生してしまったニキビ跡のクレーターを改善するには、皮膚の治癒能力を高めた上で再度真皮や皮下組織にダメージを与えて炎症前の正常な形へと導くのが効果的です。

また化粧水や外用薬でクレーターを治そうとするものもありますが、それらのほとんどは真皮まで成分が届きません。真皮まで届けるためにはCO2フラクショナルレーザーで作るような微細な穴をあけて浸透させるか、イオン導入機などを使用する必要があります。

 

CO2フラクショナルレーザー

co2フラクショナル

  • 真皮に治癒を促す
  • 改善促進する成分を浸透させる

ニキビ跡クレーターの改善のためにはこれら2つのことが必要だとわかりました。では、その2点をクリアする治療はどのようなものがあるかと言いますと、CO2フラクショナルレーザー+イオン導入による施術です。

 

CO2フラクショナルレーザーの仕組み

 

CO2フラクショナルレーザーは10,600nmの長い波長(波長が長いほど皮膚深部に届きやすい)のCO2レーザーを使用して肌に0.12mmの小さな穴を無数にあけるレーザー機器です。炭酸ガスを発進物質にすることで非常に強いエネルギー照射が可能です。

従来のニキビ跡治療で使用するレーザーはエネルギーを送り込んで加熱し凝固させるタイプでしたが、非常に強い出力が出せるCO2フラクショナルでは加熱によって皮膚を完全に蒸発させて穴をあけます。

レーザーによって穴が開くと、真皮ではコラーゲンやヒアルロン酸を生成する線維芽細胞が刺激され、空いた部分を塞ごうとする働きをします。照射個所に均一に開いた穴を同時に塞ぎ始めるのでムラがなく、フラットな肌に再生することでニキビ跡のクレーターを改善します。

真皮が新しく生成されたヒアルロン酸やコラーゲンで整えばその上の表皮や角質層の細胞も整理されます。もちろんCO2フラクショナルレーザーでダメージを受けた表皮の細胞はターンオーバーによって角質層へと押し上げられ、最終的に剥がれ落ちます。

 

治癒能力に左右される

肌 治癒

そもそもニキビ跡がクレーターになってしまって治らない方は皮膚の治癒能力があまり高くありません。その力が高ければたとえ黄色ニキビ、赤ニキビになっても正常にヒアルロン酸やコラーゲンが生成され大きな凸凹にならないはずです。

症状の程度や年齢的なこともありますので一概には言えませんが、治癒が正常にできないにも関わらずCO2フラクショナルを受けると色素沈着を起こしたり穴が正常に戻らなかったり等、かえって症状がひどくなるケースもあります。

 

助け舟の成長因子

成長因子

ではニキビ跡のクレーターがひどく、お肌の再生能力が弱い方はCO2フラクショナルレーザーで改善の術はないのかと言うとそうではありません。CO2フラクショナルを受けた後、しっかりとヒアルロン酸等が生成されるように成長因子を付与する方法があります。

 

成長因子とは?

成長因子とは簡単に言うと肌の再生のための肥料です。花は肥料があった方が元気よく育つように、皮膚も成長因子と呼ばれる肥料を受けることによって治癒において通常よりも高い能力で再生することができます。

成長因子の種類は様々で、ニキビ跡治療で使用される因子には以下のものがあります。

成分 効果
bFGF 線維芽細胞増殖因子と呼ばれ、真皮のヒアルロン酸やコラーゲンを生成する線維芽細胞の細胞分裂を活発にする因子。
EGF 表皮の細胞生成を活発にさせ、ターンオーバー促進効果がある因子。これによりムラのある表皮環境を整えてシワなどを改善。
IGF-1 インスリン様成長因子と呼ばれ、bFGFの様に線維芽細胞に働きかけてヒアルロン酸、コラーゲンの生成を促す。
PGF ポリペプチド成長因子のことで、タンパク質の一種であるペプチドの生成を促す。ヒアルロン酸もコラーゲンもタンパク質から出来ていますので皮膚の再生に欠かせない存在。
SCF 幹細胞成長因子のこと。幹細胞は分裂によって完全な自分のコピーを生成する細胞。線維芽細胞の中には幹細胞であるものも存在し、SCFによりその幹細胞の複製を促す。

 

成長因子の塗布とイオン導入

イオン導入 フラクショナル

上記の成長因子はCO2フラクショナルレーザーによってあけられた穴には入りますが、穴が開いていないが角質層・表皮・真皮には浸透しません。なぜなら成長因子の分子が大きいため自力は皮膚に入れないためです。

レーザーで開けた穴に成分を届けることも確かに重要ですが、穴が開いてない層に届けることの方がもっと重要です。そもそも穴が開いてしまっている個所には真皮の基質を構成するヒアルロン酸などを生成する線維芽細胞がないからです。

つまり穴が開いている周囲の、生き残っている真皮部分の線維芽細胞に成長因子が働きかけることによってうまく治癒がなされるのです。そして成分を真皮まで届けることができる導入方法としてイオン導入があります。

 

オプションでイオン導入は選択すべきか

イオン導入はCO2フラクショナルレーザーを受けると治療内容に含まれるケースもありますが、オプション(別メニュー)になっていることもあります。値段は導入する成分の費用込みで1回につき5000円が多いようです。

もしもイオン導入がオプションの場合は、余裕があれば選択すべきでしょう。もともと治癒能力が弱い皮膚ですとCO2フラクショナルで空けた穴の痕が色素沈着として残ってしまうケースもあります。再生能力を高めるために受けられるならば受けましょう。

 

CO2フラクショナル施術後の経過や回数

CO2フラクショナル 期間

CO2フラクショナルレーザーの施術では激痛はありませんが多少の痛みを伴います。その痛みを軽減するため麻酔クリームを使用することもあり、どこの院でも3000円ほど別料金で受けることができます。

レーザーを受けると無数の小さな穴ができ、この穴による出血はありませんが赤みが出ることはあります。施術直後から真皮、表皮、角質層では再生始まりますので24時間ほどで穴に小さなかさぶたができ始めます。

かさぶたは1、2週間で剥がれます。剥がれ落ちた後に色素沈着が出来ていることもありますがイオン導入や施術後に塗布してもらった薬でこちらも消えます。3~4週間でかさぶた、色素沈着がなくなり完全に肌が再生します。

 

施術回数の目安は人により異なりますがだいたいが5回かそれ以上です。通院の間隔はレーザー照射から次回の照射まで1か月が目安なので、仮に5回で完了する場合は5~6か月ほどかかるということになります。

 

CO2フラクショナルレーザー注意点

フラクショナル 注意

CO2フラクショナルの治療法は言うなれば肌に傷をつけるものですのでダウンタイム(一時的なダメージを受けた傷が治るまでの期間)があります。レーザーによる出血はありませんが刺激による赤みが施術後3日間、長い人で1週間ほど残るケースがあります。

レーザーの照射直後は赤みが無くても数時間すれば腫れたりするケースもありますので、できれば施術日はマスクを持参して行った方がいいでしょう。院によってはマスクをもらえる所もありますが、これに関しては通院日前に確認しておきましょう。

 

CO2フラクショナルで改善後、元に戻ってしまうのか

レーザーを受けて真皮~角質層までフラットな形になれば、またニキビ跡のクレーターに戻ってしまうことは基本的にありません。ただし何らかの原因でも肌の一部が慢性的にくぼみがあったりすると、その個所だけ改善しにくい場合があります。

ニキビ跡によるクレーター、凹凸は慢性的なものではないので一度CO2フラクショナルレーザーで改善すれば半永久的な効果があると言われています。

 

CO2フラクショナルがおススメの美容クリニック

 

品川スキンクリニック

品川美容外科 CO2フラクショナル

施術名 美肌エイジングケア(若返り)治療
施術の種類 CO2フラクショナルレーザー
料金 1回4,170円~
展開地域 北海道、仙台、新潟、東京、神奈川、埼玉、千葉、静岡、愛知、大阪、岡山、広島、福岡、熊本、鹿児島、沖縄
効果 ニキビ跡、肌荒れ、シミ・しわ・くすみの改善
効果の度合い
品川スキンクリニック|公式サイト

 

湘南美容外科クリニック

湘南美容外科 フラクショナル

施術名 フラクショナルCO2レーザー
施術の種類 CO2フラクショナルレーザー
料金 初回1回4,500円 スキントリートメント付き(通常1回12,960円)
オプション 有り(CO2スキンプレミアム):改善作用向上のための成長因子が多数配合されたマスクを使用
展開地域 北海道、宮城、東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、静岡、大阪、京都、兵庫、広島、岡山、福岡、沖縄
効果 ニキビ跡・毛穴の開き・色素沈着・しわの改善
効果の度合い
湘南美容外科クリニック|公式サイト

 

シロノクリニック

シロノクリニック フラクセル

施術名 フラクセル
施術の種類 フラクセル(フラクショナルレーザーの元祖版)
料金 10,000円~
オプション 有り:クリニカルBBクリーム(無料?)
展開地域 東京、神奈川、大阪
効果 ニキビ跡・毛穴の開き・色素沈着・しわの改善
効果の度合い
シロノクリニック|公式サイト

 

川崎中央クリニック

川崎中央クリニック

施術名 小じわ対策コース、ニキビ跡改善コースアグレッシブ
施術の種類 フラクショナルレーザー
料金 100,000円(小じわ対策コース)、150,000円(ニキビ跡改善コースアグレッシブ)
展開地域 神奈川県川崎市
効果 ニキビ跡・毛穴の開き・色素沈着・しわの改善
効果の度合い
川崎中央クリニック|公式サイト