ビタミンC誘導体 化粧水

ビタミンCが肌にとって良いということは良く知られており、積極的に取り入れている方も多いと思います。

身近で肌や身体にとって良いといわれるビタミンCですが、そもそものビタミンCの働きについてご存知でしょうか。

 

またビタミンCとは別に最近よく耳にするようになったビタミンC誘導体という成分について、ビタミンCとの違いは何なのでしょうか。

今回はビタミンCとビタミンC誘導体について見ていきたいと思います。

ビタミンCとは

ビタミンCは化学名をL-アスコルビン酸といいます。

ビタミンCはそれ自体は、人間の体内で生成されるものではなく、体内に取り込むには食品や不足分はサプリメントなどから摂取する必要があります。

厚生労働省は成人の1日あたりのビタミンCの摂取基準量として100㎎と定めています。

ビタミンCの効果としては以下のものが美容に関しての主な働きとして注目されています。

効果(口から摂取した場合)

コラーゲンの合成

コラーゲンとは、動物の骨や皮膚などを構成するたんぱく質で、人間の身体を構成しているたんぱく質のうち約30%がコラーゲンで、細胞と細胞をくっつける接着剤のような働きをしています。

コラーゲンは、体内で合成される必要があるのですが、ビタミンCが不足すると、体内でのコラーゲンの合成もうまくいかなくなり、肌や毛細血管などがもろくなります。

メラニン生成を抑制

体内に存在する黒褐色、黒色の色素であるメラニンの生成を抑えて、シミやそばかすを防ぐ働きがあります。

シミやニキビ跡などの色素沈着を防ぎ、新しくシミができるのをおさえる働きもあります。

抗酸化作用

体内の酸化を防ぐ抗酸化作用について、ビタミンCは非常に効果が高いといわれており、体内を錆びつかせる活性酵素と戦い細胞を酸化から守ります。

活性酵素は空気中にある酸素にも含まれているため、呼吸をするだけでも体内に取り込んでいってしまいます。

 

活性酵素は体内に侵入したウィルスと戦ってもくれますが一定量を超えて増えすぎると体内のタンパク質を破壊したり、血管や細胞を傷つけるなど悪い影響を与えてしまいます。

この活性酵素にビタミンCが働きかけ、無害化してくれるのです。

同じく抗酸化作用が高いビタミンEについての詳細は後述しますが、ビタミンCとともに摂取するとビタミンCがビタミンEの働きを高め酸化したビタミンEを再生する効果もあります。

ビタミンCの弱点

ビタミンCは美肌に欠かせない成分ですが、一方で弱点もあります。成分自体がもろく壊れやすく、酸化しやすい点です。

吸収されたのち体内に留まることができる時間が2、3時間と大変短く、それ以上の時間が経過すると尿ともに体外に排出されてしまいます。

摂取したビタミンCのほとんどは生命維持機関である脳や肝臓に優先的に使用され、お肌などの優先線維が低い個所に行き届く分量は少ないです。

肌に良いとされている成分であるにもかかわらず、食品から摂取しても十分に皮膚にまで行き渡らないのは残念です。

 

ならば、肌に直接塗りこめば美肌効果が望めるのではと考える方もいらっしゃるでしょう。

ビタミンCが配合された化粧品が販売されているのは、食品からだけでは肌に影響を与えるほどの十分な量の摂取が難しいからだと納得できます。

 

しかしながら、ビタミンCはその構造上、外用塗布をしても肌の角質層に入り込んで、肌の内部まで浸透することができないのです。

また直接肌に塗ってしまうアスコルビン酸のpHの影響により肌にダメージを与えかねず、炎症を引き起こすなどリスクがあります。

そのうえ不安定な成分であるため酸化しやすく、化粧品に配合しにくいとされてきました。

 

これ問題を解決するために開発されたのがビタミンC誘導体です。

ビタミンC誘導体はビタミンCと同じ効果を持ち、その上高い浸透性を持つとされており注目されている成分です。

ビタミンC誘導体とは?

ビタミンC誘導体は、もとのビタミンCにいろいろな分子をつけることで本来のビタミンC分子量(分子量:176.13)よりも大きくなり、2倍から8倍もの大きさになっているものもあります。

ビタミンC誘導体を肌に塗ることでビタミンC以外の成分が浸透のために分離していき、最終的にビタミンC誘導体が角質層内にたどり着くとビタミンCに変換されるのです。

 

添加した物質により分子量が大きくなったビタミンC誘導体は純粋なビタミンCと比べるとアスコルビン酸濃度が薄い特性があります。

また、添加した物質によりビタミンC誘導体の特性が異なり、以下のように分類できます。

3種類のビタミンC誘導体

ビタミンC誘導体は「水溶性」「脂溶性」「両親媒性(新型)」の3種類に分けられます。

化粧品に配合される場合は、成分表示に「ビタミンC誘導体」や「水溶性ビタミンC誘導体」と記載されるわけでなく、それぞれの成分名で記されています。

成分名は長く、覚えにくいものではありますが、化粧品にどのタイプのビタミンC誘導体が配合されているのかを判断するためには知っておくと良いでしょう。

特に目的のビタミンC誘導体がある場合は成分名を確認するのは必須です。

それぞれについて詳しくみていきましょう。

水溶性ビタミンC誘導体

その名のとおり水に溶けやすく、通常のビタミンCの8倍の浸透力を持つとされています。皮膚内での持続時間は12時間で浸透後の即効性が高い特徴があります。

成分名としては

  • アスコルビルリン酸エステル塩(分子量:289.54)
  • アスコルビルリン酸Na(分子量:358.08)

などと表示されています。どちらも厚生労働省から美白有効成分として認可されている成分です。

リン酸と表記されていることからもわかりますが、これらはリン酸型の水溶性ビタミンC誘導体といわれています。

ヒトの肌にはリン酸を分解する酵素(フォスファターゼ)が存在していますので、これらを塗った際の吸収率が高く、表面にビタミンCが残り紫外線があたって酸化し肝斑や白斑になってしまうなどの心配もありません。

 

ただ、水溶性ビタミンC誘導体の中でも注意すべきもがあり、それはグルコシド型のビタミンC誘導体、例えばアスコルビン酸グルコシドです。

グルコシド型はリン酸型と同じく水溶性ビタミンC誘導体ですが、人間の皮膚内にグルコシド型を分解する酵素が少ないため浸透せず皮膚表面に残るってしまいます。

浸透できずに皮膚表面に残ったビタミンCが酸化し肌に悪影響を及ぼす可能性もあり、グルコシド型のものはあまりおすすめできません。

脂溶性ビタミンC誘導体

成分としては

  • テトライソパルミチン酸アスコルビル(VCIP 分子量:1129.0)
  • アスコルビン酸パルミチン酸エステル(分子量:414.5)

などが代表的なもので、イソパルミチン酸型が浸透性も安定性も優れているといわれています。

肌にある脂質によく馴染み、通常のビタミンCの20から30倍もの浸透力を持ち、持続時間は約24時間で水溶性ビタミンC誘導体ほどの即効性はないものの、乾燥しにくいという特徴を持っています。

脂に馴染みやすい性質を持つのでクリームやジェルタイプの化粧品に配合されることが多い物質です。

両親媒性ビタミンC誘導体

成分名は…

  • パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na(APPS 分子量:560.0)

と言い「アプレシエ®」とも呼ばれており、水溶性のリン酸型と脂溶性のパルミチン酸型をアスコルビン酸に結合させた構造を持ちます。

水溶性でもあり脂溶性でもあるビタミンC誘導体です。

即効性と高い浸透力を兼ね備えた成分で、水溶性と脂溶性の特徴をあわせ持つことで通常のビタミンC誘導体(L-アスコルビン酸2-グルコシド)と比べて100倍の浸透力を持つと言われています。

 

アプレシエ®の開発元である昭和電工の検証では、従来のビタミンC誘導体(L-アスコルビン酸2-グルコシド)と新型・アプレシエ®の浸透性を正常ヒト表皮角化細胞を用いて比較したところ以下のような結果が出ました。

引用元:アプレシエ®|製品情報|昭和電工株式会社

表中の「AG」は従来のビタミンC誘導体L-アスコルビン酸2-グルコシドです。

APPSとAGを比べると、どの時間でもAGの濃度を大きく上回っており、浸してから6時間経過の濃度が最も高くその後も大幅に角化細胞内のビタミンC濃度が減少することなく留まっているのがわかります。

高い浸透力によりビタミンCが皮膚の表皮の内側に存する角質層の奥に浸透し、活性酵素の除去作用で皮膚のダメージを改善し、特にシワやくすみへの効果が期待される成分です。

他のビタミンC誘導体に比べれば長時間使用しても肌への刺激も少なく皮脂分泌を抑えつつ乾燥を抑えるため、ニキビを防ぐだけでなくアンチエイジング効果があるとしても注目されています。

ただし新しい成分であり未だ臨床データが少なく、安定性も十分な確認が取れておらず厚生労働省の認可はありません。

APPSの浸透性を見る上での注意点

たしかに上記のデータを見る限りAPPSの浸透性は他のビタミンC誘導体よりも高いと言えます。

しかしこの検証で理解しておかなければならないのは、アプレシエ®の比較対象がL-アスコルビン酸2-グルコシドであることです。

L-アスコルビン酸2-グルコシドは水溶性のビタミンC誘導体ですが、残念ながらヒトの皮膚にはグルコシド(糖類)を分解できる酵素が存在しておらず、これを肌に塗布しても皮膚内でビタミンCとして働かない(変換されない)のです。(経口摂取では効果があります。)

 

つまり比較対象としてはあまり適切ではないL-アスコルビン酸2-グルコシドとAPPSの浸透性を比較すれば明らかな差が出て当然です。

意図的に比較対象をL-アスコルビン酸2-グルコシドにしているのかは不明ですが、APPSが「従来の100倍以上の浸透力」と言われているのはそのようなカラクリがあるからです。

 

とは言えアプレシエは両親媒性で浸透力は確かに高く、ドクターズコスメや美容外科のイオン導入液としても使用されているため従来のものより高機能なのだと思います。

なので少しでも質の高いビタミンC誘導体を使いたい方にはAPPSをおすすめします。

コラーゲン生成やシミ改善の効果は弱い

ビタミンC誘導体化粧品を使用する場合に理解しておきたいのは、ビタミンC誘導体化粧品にはコラーゲンの生成作用やシミが改善するといった働きは弱いと言う点です。

誤解がないように言っておきますが、確かにビタミンCは線維芽細胞に働きかけてコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸の生成を促します。

またメラニン色素の分解機能も持ちます。

 

ただし、それはあくまでもビタミンCが経口摂取により血液に乗って内側から作用する時の話で、ビタミンC誘導体化粧品(医薬部外品を含む)を皮膚に塗ったとしても同じ効果は得られません。

ヒアルロン酸やコラーゲンを生成する役目を持つ線維芽細胞はお肌の奥深く「真皮層」に存在しています。

しかしどんなに優れた化粧品であっても成分が浸透できるのはそれよりももっと浅い(皮膚表面の)位置の層である角質層(表皮最上部)までです。

 

またシミの原因であるメラニン色素は主に表皮層の深部に存在しており、やはりこちらにも成分は届きません。

製造メーカーの実験などで「ビタミンC誘導体が線維芽細胞に働きかけてコラーゲンを生成したと考えられる。」「メラニン色素の量が減少した。」と結論付けているものを見ることがありますがこれらはヒトの皮膚に成分を塗って得た実験結果ではなく、線維芽細胞やメラニン色素(を含んでいる個所)を取り出し、そこへ直接ビタミンCを添加しているものです。

 

つまり「成分の浸透」という条件を抜きにして出している結果なので、化粧品を塗ればこれと同じ効果が得られると言うわけではありません。

メーカーも注意書きしている

ビタミンC誘導体化粧品の販売ページの広告をよく見てみると「肌の奥深くまで浸透!」と書かれたそのすぐ近くには「※角質層まで」と記されていることが多いです。

ビタミンC誘導体の浸透力が他の物より優れていることは確かですが、それが通常浸透しないところまで届くと誤解を生まないように注意書きをしているのです。

なのであくまでもこの成分の届く範囲は角質層までで、期待できる効果も角質層や皮膚表面での機能を補助する程度だと考えておきましょう。

ビタミンC誘導体とビタミンE誘導体

化学名をトコフェロールと呼ばれるビタミンEは、それ自体優れた抗酸化作用を持つ物質です。

ただし、ビタミンEはビタミンC同様に不安定な物質で、とても酸化しやすく油溶性のビタミンのため化粧品に配合しにくい物質です。

そこでビタミンEも誘導体の形(TPNa)が開発され、皮膚内の脱リン酸化酵素を利用してビタミンEへと変換させます。

 

強い抗酸化作用と抗炎症作用の持ち主なのでニキビや赤ら顔で悩む方に向いた成分であり、特にビタミンCにはない抗炎症がトラブルを負った部分に作用します。

ビタミンEはビタミンCと共に摂取すること相互に機能促進するため、同時摂取することで高い効果を発揮してくれます。

ビタミンC誘導体とビタミンE誘導体が配合された化粧品は紫外線などで起こる酸化と肌ストレスの両方を抑制する働きを持ちます。

ビタミンC誘導体の副作用

ビタミンC誘導体は優れた効果を持ちますが、一方で注意しなければならない点もあります。

ビタミンC誘導体配合化粧品は製造後の品質を保とうとすると他の配合成分によってpH値が7から8.5のアルカリ性となってしまっています。

 

健康な肌はpH値(アルカリ性、酸性、またはその中間の中性を判断する基準の値)は4.5~6(弱酸性)とされており4.5に近ければ脂性、6は乾燥肌と判断されます。

乾燥肌は角質層内の水分保持が不安定であるため皮膚のバリア機能が弱く、外部からの刺激を受けやすい環境です。

その状態で強めのアルカリ性を示すビタミンC誘導体を使用すると肌に良いはずの化粧品がかえって悪影響となります。

 

APPSは乾燥肌・敏感肌にも刺激が少ないものだとされていますが、製造される化粧品の成分によりpHの値は異なるため一概にアプレシエ®化粧品が低刺激だとは言えません。

化粧品のpH値はそもそも成分表示のように記されているものではありませんので、もしも敏感肌・乾燥肌の方がビタミンC誘導体化粧品を検討するならば、まずはお試しセットなどの少量のものを使用し刺激の有無を確かめてから本商品を購入すると良いでしょう。

ビタミンC誘導体の配合濃度

ビタミンC誘導体の化粧品への配合濃度については、水溶性、脂溶性、両親媒性によって推奨割合が違います。

水溶性ビタミンC誘導体であるアスコルビルリン酸エステル塩、アスコルビルリン酸Naの場合は、抗酸化効果や抗炎症効果が引き出され、肌の乾燥を防ぐ効果が引き出される化粧品配合推奨濃度は5%前後とされています。

 

脂溶性ビタミンC誘導体であるテトライソパルミチン酸アスコビル(VCIP)は、高濃度でも刺激が少なく、保湿性にも優れています。化粧品配合推奨濃度は水溶性ビタミンC誘導体と同じく5%前後とされています。

両親媒性ビタミンC誘導体であるバルミチン酸アスコルビルリン酸3Na(APPS、アプレシエ)においては、それらが持つ抗炎症作用、皮脂分泌のコントロール作用などが期待される化粧品配合推奨濃度は1%から2%といわれています。

ただし、上記の推奨配合濃度は医療用として処方されるものの配合濃度です。

 

厚生労働省が医薬部外品として認可した化粧品のビタミンC誘導体濃度は上限が3%と決められており、一方認可のない化粧品は濃度の上限なく配合できます。

ただし認可がない分確実な安全性の面では医薬部外品に劣ります。

 

単高い濃度の方がその効果もより良いと考えられますが、既にお話しした通りアスコルビン酸自体が刺激の強い成分ですので濃度だけにこだわるのもリスクが大きいです。

さらに言えば濃度7%以上は効果はほぼ変わらないと言われています。

 

そもそも化粧品は肌の状態を少しでも良くするためのもので、そのために大きなリスクを取るのは適切ではありません。

特に敏感肌・乾燥肌の方がビタミンC誘導体化粧品は選ぶ際は、まずトライアルセットなどで相性を確認してから本商品を購入することをおすすめします。

おすすめのビタミンC誘導体化粧品

プレミアムAPPS+E(TPNA)ローション

APPS TPNA ローション

種類 APPS(アプレシエ®)、アスコルビルリン酸Mg
ポイント 2つのビタミンC誘導体と、ビタミンE誘導体配合
濃度 不明
内容量 100ml
pH値 6~7(弱酸性)
ビューティーモール|公式サイト
使用した口コミはこちら

 

ヒューチャーインセラム

フューチャーインセラム VC

種類 APPS(アプレシエ®)、アスコルビルリン酸Na
ポイント 2つのビタミンC誘導体を濃度合計8%配合
濃度 8%
内容量 30ml
pH値 約8(弱アルカリ性)
エクスボーテ|公式サイト
使用した口コミはこちら

 

オバジC20

obagi c20

種類 アスコルビン酸(ピュアビタミンC)
ポイント 純粋なビタミンCとビタミンEを配合
濃度 20%
内容量 15ml
pH値 約5
オバジC20|公式サイト
使用した口コミはこちら