脂肪注入 豊胸

豊胸手術には大きく分けると脂肪注入、ヒアルロン酸注入、シリコンバッグの3種類があります。その中でも最も人気なのが脂肪注入で、ご自身の脂肪を吸引してそれを胸に注入するため出来上がりが自然で安全性も大変高いです。

その脂肪注入もさらに施術の種類分けができます。今日ではより完璧で自然な出来上がりを追及するため院によっては多くの方法、特殊なやり方がありますが、基本的には以下の3つに分けられ、この方法で施術を受けるのが一般的です。

  1. ピュアグラフト脂肪注入
  2. コンデンスリッチ脂肪注入(CRF)
  3. セリューション(脂肪幹細胞)注入

どの方法もご自身の脂肪を取って胸に入れる形には変わりありませんが、吸引してから注入するまでの過程で違いがあります。もちろんそれによって出来具合に若干の違いも出てきます。どのように異なるのか、それぞれ見ていきましょう。

 

脂肪の予備知識

脂肪には脂肪細胞だけでなくその他にアンモニアや血液、細菌の死骸、皮脂や垢などのいわゆる死活細胞や老廃物も含まれています。脂肪には必ずこれらが含まれていますが、その含有量が多すぎると美容を損ねたり病気の原因になります。

脂肪に関して、美容で馴染みのある言葉で言えばセルライトがちょうど死活細胞や老廃物の類になります。セルライトは新陳代謝の低下によりが死活細胞、老廃物の周囲に水分が溜まって出来、肌に凹凸のできもののような物体が浮き出るものです。

通常、脂肪に含まれる異物は以上のものを指しますが、脂肪吸引の際には該当箇所に麻酔を使用するので麻酔液も異物に含まれます。当然麻酔液は吸引・注入が終われば胸の構成には必要ないものになります。

 

そしてこれから挙げる3つの脂肪注入法はそれぞれ脂肪を吸引してから注入するまでに過程に違いがあるのです。その違いによって密着度や注入量、サイズアップにも少し影響してきます。

 

1.ピュアグラフト脂肪注入

脂肪を吸引した後にそこから先ほど上げた死活細胞や老廃物、麻酔液を取り除きます。これによって脂肪細胞と※幹細胞のみの状態になったものを胸に注入します。異物を一緒に注入する割合が非常に低いので密着率が高い方法です。

脂肪細胞自体はデリケートなのでダメージを受けると損傷し死活細胞になってしまいますが、ピュアグラフトの高度なフィルター機能を使うことでそれを防ぎます。綺麗な脂肪細胞を注入できるためしこりのリスクも軽減されます。

 

※幹細胞

幹細胞とは自分を複製したり多分化(複製して他の組織細胞の一部になること)させることができる細胞のことで、組織を再生させるために非常に重要な役割を果たす細胞です。ES細胞やIPS細胞もこの幹細胞の1種です。

脂肪注入豊胸では脂肪内に存在する幹細胞である脂肪幹細胞も一緒に入れることで細胞細胞が浮遊してしまうのを防止し胸の形づくりをします。幹細胞が組織内で機能することで高い密着率を維持することができます。

 

施術の順序やサイズアップの目安等

ピュアグラフト脂肪注入ではまず最初に採血を行い脂肪吸引・注入が可能かどうか検査します。検査結果がOKでしたら後日施術になります。施術について入院の必要はなく日帰りで受けていただくことが可能です。

注入する脂肪の量は片方の胸に250cc~300cc注入で1.5カップほどサイズアップします。250cc=250mlなので、昔よく見かけたコーラやサイダーの細い缶がちょうどその分量に当たります。両胸に注入が必要な場合はおよそ小さいペットボトル1個の量です。

脂肪を吸引した個所は当然ながらそこにあった脂肪がなくなるため空洞になり、放っておくと血液や麻酔液が溜まってしまいますので圧迫によって周囲の脂肪とのバランスを整えます。これにより腫れ、痛み、内出血をある程度防止します。

 

ピュアグラフト注入では脂肪の密着度は50~60%とされており、術後にしこりが発生する割合は低いです。術後当日はシャワー・入浴は禁止で翌日以降シャワーがOK、入浴は3日後以降OK、1週間後以降OKなど院により異なります。

料金体系は完全に固定であったり、注入量により異なる院もありますので脂肪注入から麻酔、施術、後日診療含めて50万~90万円と差があります。

 

コンデンスリッチ脂肪注入(CRF)

コンデンス(condense)とは「凝縮・濃縮」のことで、リッチ(rich)は「豊富」の意味です。つまり脂肪細胞が濃縮されていて注入する脂肪の中でそれの割合が高いもので、それゆえ密着率や完成度が大変よくなります。

コンデンスリッチ豊胸の場合はピュアグラフに比べてひと手間多く、吸引によって取れた脂肪から麻酔液を抽出した後に専用機器で脂肪を濃縮し、濃縮したものからさらに死活細胞・老廃物を取り出して胸に注入する仕組みです。

ピュアグラフトと違う点は麻酔液・死活細胞・老廃物の抽出率が高いこと、また専用機器で濃縮されているため脂肪細胞と幹細胞が含まれている割合が高いことです。強くて健全な細胞のみが号宿されているので豊胸した胸の形の持続も良いです。

 

脂肪注入豊胸の中では日本だけでなく世界レベルで見ても今やこのコンデンスリッチが一番人気でスタンダードな手法と言っても過言ではないほどで、希望者数も急増しています。

 

施術の順序やサイズアップの目安等

ピュアグラフトと同じようにまず最初に採決を行い問題なければ後日施術します。こちらも入院の必要はなく日帰りで施術を受けることができます。ただし念のため翌日~3日程度は自宅で安静にすることをおススメします。

脂肪の注入量が片方300cc~400ccならば2~3カップのサイズアップが目安で、両胸なら注入量はその倍です。吸引した部分は圧迫によってバランスを整えて、シャワーは翌日からOK、入浴は院によって決まりが異なります。

 

コンデンスリッチは濃縮を行うため注入する脂肪が高品質になります。そのため密着率が非常に高く80~90%と言われており、またしこり・石灰化が起こる可能性も極めて低いですので安全性についても文句なしです。

料金はピュアグラフトよりも高くなり採血、吸引、脂肪注入、後日診療など全て含めて80万~120万で設定されています。オプションとしてVASER(ベイザー:超高性能な脂肪吸引装置)を利用する場合はさらに20~30万ほど高くなります。

 

3.セリューション(脂肪幹細胞)注入

セルーションとは吸引した脂肪を遠心力によって脂肪細胞と脂肪組織由来再生細胞(幹細胞)に分離させることができる医療機器の名前です。この豊胸手術の場合必ずセルーション遠心分離器を使用するためこの名前が付けられています。

豊胸の仕組みはコンデンスリッチよりもさらに複雑になり、まず吸引した脂肪をA.老廃物の除去用B.幹細胞の抽出用に分けます。その名の通りAでは死活細胞や老廃物などを取り除き、Bでは幹細胞のみを抽出し濃縮します。

その後異物を除去した脂肪と濃縮された幹細胞を組み合わせることで質の高い脂肪が出来上がり、これを胸に注入します。異物が極めて少なく多くの幹細胞が含まれた脂肪により出来上がり・維持率共に抜群の効果があります。

 

幹細胞が多いのは良いことなのか

セリューション豊胸の一番の目玉は幹細胞を多く抽出できる点です。濃縮された幹細胞が含有された脂肪を得られるため効果が抜群なのですが、幹細胞が含まれていることは豊胸にとってそんなに重要なことなのでしょか。

 

幹細胞は吸引により他の部位から移ってきた脂肪を生着させるためにその部分に新しい血管の生成を促します(血管新生)。従来の脂肪と移って来た脂肪の中で新しい血管を作ることで生着率(移した脂肪が移植先で正常に機能している割合)を高めます。

また、脂肪注入でしこりができる原因は不純物があったり脂肪が一か所に集中しすぎて血液の栄養が届かず、酸欠状態になることです。しかし幹細胞が血管新生を促すことでそれを解消するため、しこりができる割合も極めて低くなるのです。

 

さらにはセルーション遠心分離器で綺麗になった脂肪と濃縮された幹細胞を混ぜて注入した場合と、それをせずに注入した場合とでは前者の方が移植先で長い間生着することが研究により明らかにされています。

 

施術の順序やサイズアップの目安等

施術の順序はピュアグラフト、コンデンスリッチと同じです。脂肪注入量によるサイズアップの目安、術後のシャワー・お風呂、安静の具合などもそれらと同じです。

違いはやはり仕上がり具合、生着率・密着率の高さ、しこりができる確率・割合が極めて低いことです。脂肪注入豊胸において完璧な自然さ、触り心地、長い維持率を望むならばセリューション注入が一番おススメです。

ただし非常に高度な施術方法になりますので3つの中で料金が一番高いです。院によって若干の違いはあるものの150万前後で設定されています。一括で支払うには大きな負担になるので医療ローンやクレカの分割で払う方がほとんどです。

 

3つの脂肪注入法まとめ

豊胸 種類

ピュアグラフト、コンデンスリッチ、セリューションと3つの脂肪注入法を見ましたが、どれもご自身の脂肪を吸引して胸に注入する点は同じですが、吸引から注入までの過程は大きくことなるため効果と値段に差が出てきます。

3つの施術方法を表にまとめてみました。

ピュアグラフト コンデンスリッチ セリューション
脂肪の純度
脂肪細胞の多さ
幹細胞の多さ
密着率  50~60% 80%前後 90%以上
効果の維持 長期的 長期的 超長期的
自然さ
サイズアップ目安  1.5 2~3 2~3
しこり発生割合 少々 あまりない 極少
吸引部の圧迫 3日~1週間 3日~1週間 3日~1週間
シャワー・お風呂 翌日・3日後以降 翌日・3日後以降 翌日・3日後以降
費用 50万~90万円 80万~120万 150万前後

 

施術の方法自体は全く同じでその過程で行う処理によって脂肪の質の高さに違いが出てくる感じです。この中ではピュアグラフトが一番簡易な過程ですが決して効果がないわけではありませんので誤解ないようにしてください。

施術方法によって自然さ、出来上がり具合に変化が出てきますが手法と同じくらい大切なのか施術者(担当医師)の腕です。その方の経験・実績や相談する際の相性を含めて安心して任せられるかどうかを見ることも大切です。

信頼できる医師と相談しつつ自分が希望する施術方法を選びましょう。