脱毛 色素沈着 火傷

脱毛サロンやエステで処理を行う方は多いと思います。エステやサロンでは医療レーザーの様な出力が強い脱毛機器は使用できず、代わりに出力が強くないものを使用して皮膚に大きなダメージを与えず、肌を綺麗な状態に保ちながら処理します。

出力が弱い分痛みをほとんど感じることなく処理が受けられるのがメリットですが、一方でそれゆえ効果は一時的な除毛にとどまりまたしばらくすると毛が再生するのがデメリットです。ただし一般的には医療レーザーなどと比べると料金は割安と言われています。

エステサロンでのフラッシュ脱毛では基本的に肌に負担にならない処理になります。しかし脱毛機器の出力を強めればより高い効果が得られるため、一部の店舗では規定以上の出力で処理している所もあり、それが原因で火傷や黒ずみ、色素沈着が起こることもあります。

 

百歩譲って黒ずみや色素沈着はその人の体質によってどうしても起こってしまうことがあります。フラッシュに限らず医療レーザー脱毛でも起こることがあります。しかしフラッシュで火傷まで起こしてしまうレベルになると正しく機器を扱っているのか疑問です。

またさらには、火傷や色素沈着などが起こっても正しく処置しない(医療機関へ行くことを勧めない)こともあるようです。最近はテレビCMや雑誌などで頻繁に脱毛サロンの宣伝がされており、数百円・無料キャンペーンで手ごろに通えるイメージが浸透し多くの人が利用するようになりました。

脱毛サロンを手ごろに利用することは何の問題もありませんが、一方でそれによるトラブルがあるのも事実です。これは脱毛エステサロンに限らず美容クリニックでも同じです。今回は2014年の日本医学脱毛学会の学術集会で報告された、脱毛サロンでフラッシュを受けて著しい色素沈着が起こった事例をご紹介したいと思います。

 

40万円と色素沈着が残った事例

※画像

脱毛サロン 色素沈着2014年 日本医学脱毛学会の学術集会の様子より(動画元:YouTube)

Aさん(20代・女性)はX(仮)という脱毛サロンで全身脱毛(回数制限)を契約。契約後に2回脱毛処理を受けたあと身体に色素沈着が起こった。特に脚、膝から下の症状が著しく、とてもスカートをはける状態ではないとのこと。

肌に異常を覚えたAさんはすぐにスタッフに相談したが返ってきた言葉は「その部分は避けて照射します」だった。広範囲でそれが起こっているためその個所を避けた場合、照射部位が少なくなるにもかかわらず料金変更については一切説明なし。

その他このような肌トラブルが起こった場合の対応方法の説明や医療機関の紹介をすることもなく「しばらく様子をみましょう」と言われるのみ。一向に色素沈着が改善しないのでAさんは地元の皮膚科に相談すると同時に治療を開始。

しかし肌のトラブルが起こってから1年以上経った今も色素沈着はうまく改善せず治療中とのこと。Aさんには全身脱毛コース約40万円の費用と色素沈着が残り、さらには今後色素沈着を治すための費用も支払わなければならない状況。

このAさん、相談先の先生から脱毛サロンの店舗でもう一度料金や今後の処置を聞いてきなさいと言われたのですが、その脱毛サロンは店舗直通の電話を引いておらずトラブルなどの相談は専用のカスタマーセンターでしか受け付けてもらえないそうです。

ただ、カスタマーセンターで相談しても事実を有耶無耶にされる可能性もあるのでそうされないために現在は事実を固めているようです。Aさんが今後どのような対応を取られるのかはわかりませんが、少なくとも返金請求の対応はされることでしょう。

 

事例で気になった脱毛サロンの3つの点

今回の事例を最初に聞いたとき若干怒りを覚えましたが、この事例で気になった点を3つ挙げたいと思います。

  1. 色素沈着が起こりすぎ
  2. 医療機関を紹介していない
  3. 事後にも関わらず説明をされていない

 

1.色素沈着が起こりすぎ

記載した画像は学会で使用されたスライド写真を撮影してあるものなので鮮明ではありませんが、色素沈着の状況がかなりひどいとわかります。またこのAさん、もともと色白なので肌自体はフラッシュの影響を受けにくく、逆にそれゆえ色素沈着が目立ってしまうのです。

フラッシュや医療レーザーは基本的にどの機器も黒いメラニン(毛)にのみ反応して熱を加えて脱毛する仕組みです。なので日焼けしている方ならまだしも、色白の方がこれだけ直接肌にダメージを受けるとはかなり強い出力で照射されていたのではないでしょうか。

ただ、色素沈着はフラッシュだけでなく医療レーザーでも起こることで、またその人の体質によるところあり、一概に機器の出力が原因とは言えません。

 

2.医療機関を紹介していない

どこのエステサロンでも身体にトラブルがあった場合は医療機関を紹介するのが原則です。医師による診療がその場でできないためエステサロンでは医療脱毛を許されておらず、逆に医療機関では強い出力で照射可能なのはすぐに治療が可能だからです。

今回のケースでは色素沈着が起こり始めた時はどの程度の症状だったのかは不明ですが、それでもAさんは来店の際に店舗のスタッフの方にそのこと伝え、相談しています。つまりお店側は色素沈着が起こったことを認識しているにもかかわらず様子を見る形をとりました。

これが問題なのです。

店舗で相談した際に写真の様な症状であったならば私のような素人が見ても異常だとわかります。にもかかわらず様子を見る形にしてすぐに治療を進めなかったのは脱毛サロンとして明らかに不適切な対応だったと思います。

 

3.事後にも関わらず説明をされていない

まず、肌のトラブルが起こった場合どのような対応になるのかは契約前に説明があるはずです。私が通っている美容クリニックではそのような際は治療をするのかや、その治療費はどうなるのかなど事前に説明がありました。

Aさんが事前に説明を受けていたのかどうかはわかりません。しかし説明があったのならその通り対応するべきで、脱毛サロン側は「何かトラブルがあってもこちらでは案内せずご自身で対応していただく形になります」と説明したわけではないでしょう。

しかも色素沈着の部位を避けるなら照射範囲も変わってくるので料金体系や残りの回数等の説明があるべきです。もしもそれに関して「聞かれなかったから」「事前に説明しているから」という理由で説明を怠ったならば対応のレベルに疑問を持ちます。

 

「2」の診療を勧めていない点

3つの中でも一番気になるのは「2.医療機関を紹介していない」点です。Aさんは結局自分で医療機関を探して診察を受けています。

フラッシュ照射の際には色素沈着のことを伝えて初めて「そこを避けて照射します」と言われたとのことなので、ならばAさんがそれを言わなければそのまま照射していたのでしょうか。また、色素沈着を見てなぜ「しばらく様子を見る」判断されたのでしょうか。

医師でない限り診療はできないので何もせずに様子を見ることはある意味正解かもしれませんが、専門家である医師の診察を勧めることはできるはずです。脱毛処理の過失が発覚してしまうのを恐れて案内しなかったのかどうかはわかりません。

いずれにせよ医療機関での診察を勧めていないのはいただけません。

 

美容クリニックでも注意を

このようなことは何も脱毛エステサロンだけで起こっていることではありません。最近では医療機関である美容クリニックでも適切な処置を行わなかったり、施術でトラブルが起こってたにも関わらず一切返金しないところが一部あります。

しかも美容医療では院側で返金制度を設けていない限り原則としてクーリングオフや途中解約が利きません(特定商取引法の適用外のため)。なので美容医療だから絶対安心と思わず、万が一のことや返金制度の有無はしっかりと聞いておきましょう。

 

一番避けたいこと

火傷や黒ずみ色素沈着などのトラブルを一番避けたいことは言うまでもありませんが、万が一これが起こってしまった場合に泣き寝入りすることだけは避けたいです。例えば大手の脱毛エステサロンはどこも途中解約が可能です。(原則解約手数料がかかります)

 

火傷や黒ずみ、色素沈着が起こったら

色素沈着 病院

まず脱毛サロンのフラッシュ脱毛で肌のトラブルが起こることはほぼないはずです。冒頭で言ったように出力が強くなくて肌には負担にならないからです。にもかかわらずそれが起こってしまうのなら脱毛機器の出力が高すぎることが考えられます。

そもそもメラニンの生成による色素沈着は紫外線の影響を除けば炎症などのダメージを受けない限りめったに起こりません。なので肌に異常が起こったと思ったら医療機関で診察を受けることを前提で、一応スタッフの方にも相談しましょう。

医師ではない素人が様子見したところで色素沈着が時間の経過とともに治る保証はありません。

本来美容のために脱毛を受けるにもかかわらずそれによって肌のトラブルに見舞われてしまっては本末転倒です。医療機関であれば早期にステロイド外用薬や軟膏剤を塗布してもらうことによりメラニンの生成を抑えられます。

また医薬外用品でもメラニン自体を減らすこともできるので決して放置せずに医療機関で診断を受けましょう。