色素沈着

ご存知かと思いますがレーザー脱毛では毛の黒いメラニン色素にエネルギーを吸収させて高熱にし、それによって毛自体がダメージを受けて抜ける仕組みです。例えば紙を燃やすと完全にボロボロになりますが、脱毛でも同じことです。

レーザー脱毛の波長では黒色のメラニンにしか反応しないため、毛以外が熱を持つことがありません。毛に接している周囲の肌にはその熱が伝わるので負担にはなりますが、レーザー照射と同時に噴射される冷却剤のおかげでヤケドなどは起こりません。

 

レーザーは黒いメラニンであれば何でも反応し、毛以外にもホクロやアザ、シミなどの色素沈着にも反応します。脱毛を希望する個所にホクロがある場合はそこを紙などで隠して照射するものの、シミや色素沈着に対してはそのまま照射してしまうことがほとんどです。

では、脱毛したい個所にシミや色素沈着があった場合にそこにレーザー照射してもらうことでそれは消えるのでしょうか。脱毛を受けつつ消してしまいたいシミも照射によって改善することができれば一石二鳥です。

 

シミ治療にも使われるジェントルレーズ

医療機関の脱毛機器で最もポピュラーなものと言えばキャンデラ社製のアレキサンドライトレーザー・ジェントルレーズですが、実は脱毛処理以外にもシミや色素色素沈着を治すためにも使用されているレーザーなのです。

ジェントルレーズは機器の名前で、アレキサンドライトというのはレーザーの種類のことです。シミ治療にはジェントルレーズよりも同社のアレックスレーザーやアレックスⅡがよく使用されますが、波長が755nmやそれ前後とほぼ同じ仕様です。

ジェントルレーズとシミ取り専用の機器で大きく違う点はパルス幅です。前者はパルス幅が30ミリ秒と少し長めで毛によく吸収され、後者は50ナノ秒前後と非常に短いためシミの様に薄いメラニン色素を瞬時に捉えて熱を持たせます。

長め、短めの違いと言ってもミリやナノの世界での違いの話なので、私たちがその違いを肌で実感することはありません。単純にそれぞれパルス幅が違うので脱毛に向いているのかシミ取りように向いているかに関係していると理解しておきましょう。

 

以上のようにジェントルレーズであろうとシミ取り専用レーザーであろうと波長が同じで、シミや色素沈着のメラニンに対しても反応するのでレーザー脱毛によって照射した個所の色素沈着が改善することはあり得ます

 

完全に取れるわけではない

シミ取り

脱毛処理でジェントルレーズを使用する場合は毛を損傷させることが重要になるため、シミ取りの場合に比べて出力が強いです。それゆえ脱毛時の出力でシミや色素沈着に対して照射すると、毛と同じようにその個所もダメージを受けることになります。

ただし、シミの個所に存在するメラニンの量は毛やホクロに比べると非常に少なく、メラニンが少ないほどレーザーに反応しにくいです。したがってもしも色素沈着がそれほど濃くないのならば照射によるヤケドや炎症は心配いりません。

 

先ほどパルス幅の話をしましたが、脱毛でジェントルレーズを使用されている場合そのパルス幅がシミ取り専用のものにくらべて十分ではないので、綺麗さっぱり取れるかというとそうではありません。

ましてや脱毛処理なのにシミ取り仕様に変更するわけにもいきませんので(脱毛の際にナノ秒レベルのパルス幅を選択すると肌への衝撃が非常に大きいです)、完全にシミと色素沈着が治るわけではありません。

つまり、多少はそれが薄くなることがあるものの改善する保証はありません。

 

色素沈着シミ改善は専用レーザーで

脱毛で使用するレーザーも若干の美肌効果もあると言われていますが、それよりも毛が熱を持つことによる周囲の肌への負担の方が大きいので、脱毛と色素沈着シミ改善の両方を期待するのは少し無理があります。

やはり色素沈着とシミはそれ専用のレーザー外来で治療を受けるべきです。レーザー外来ではQスイッチ・アレキサンドライトレーザーやIPL(フォトフェイシャル)など様々な医療機器を使用し、シミの種類に合わせて治療します。

 

例えばニキビによる色素沈着ではCO2フラクショナルレーザーやフラクセル2を使用したり、そばかすに対してはQスイッチ・アレキサンドライト、Qスイッチルビーを使用すると言った具合に症状によって使用する機器が違います。

そしてシミ取り専用レーザーでは出力や波長が脱毛の時とは異なり、不向きなものもあり脱毛処理として使用することはほとんどありません。したがって脱毛は脱毛の治療、色素沈着改善の治療はそれ専用のもので、と言う形で別々に受けましょう。