医療脱毛

脱毛サロン、美容外科に通って脱毛処理をしてもらうと一度でそれが済むわけではありません。エステサロン、美容クリニック、また利用する脱毛の種類によっても異なりますが完了までにおよそ1~2年はかかると言われています。

期間がそれだけ長いと言うことはその間に通う回数もある程度あるわけで、たとえば男性の髭では1年間に5~8は通う必要があり、女性のような薄い体毛でも3~5回前後通うことになります。その回数をこなしてはじめて満足できる効果を得られます。

脱毛完了までに時間がかかるのは仕方ありませんが、そもそもなぜ完了までに時間や回数が必要なのでしょうか。毛抜きのようにちょちょいと簡単に脱毛できるものではないのでしょうか。ここではその理由について見ていきます。

 

レーザー脱毛の仕組み

脱毛の種類と言えば医療レーザー、ニードル、フラッシュがありますが今回は医療レーザーでの脱毛の仕組みをまず最初に説明します。フラッシュ脱毛でもそのメカニズムはほとんど同じなので合わせて見ておいてください。

レーザー脱毛 仕組み

この図のようにレーザーは毛の黒色にのみ反応するように出来ています。詳しく言うと毛の色を作り出している黒色の「メラニン色素」だけがレーザー照射によって高熱になり、毛とそれに密着している毛穴組織がダメージを受けて抜ける仕組みです。

日本人は黄色人種と言われる類で肌にもメラニンが存在しますが、肌に存在する程度のレーザーには反応しないので皮膚が焼けてしまうことはありません。しかしホクロやシミのようにメラニンが集中した個所では毛と同じように反応します。

また通常であれば皮膚には反応しないものも、日焼けによって黒く焼けていたりもともと体質で色黒の方は皮膚に存在するメラニンもレーザーに反応してしまいます。そのような場合は火傷のリスクも伴うのでレーザー脱毛を受けられないこともあります。

 

フラッシュ脱毛との違い

簡単にレーザー脱毛とフラッシュ脱毛の違いを説明しておきます。ここでのフラッシュ脱毛はエステサロンで使用するような出力が弱いものを仮定しています。エステサロンでは医療レーザーのように強い出力での照射は禁止されています。

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図を見てわかるように医療レーザーは毛穴の奥の方までそれが届いており、毛球(毛の一番根の部分)までしっかりと熱を加えて脱毛します。そうすることで毛の生成の元になっている毛乳頭を破壊することができるのです。

一方エステサロンで使用するフラッシュ脱毛では出力が弱いため光が奥まで届かず、またそれゆえ毛自体も十分に破壊できるわけではありません。皮膚表面から少し下までは届いても最深部まで届かず毛穴の中に残っている状態です。

例えば雑草をイメージしてもらうとわかりやすく、草の葉の部分を切ってもまたすぐに生えてきます。しかし根元から除去してしまえば生えてくることはありません。医療レーザーとエステサロンのフラッシュ脱毛の違いはこんなところです。

一つ注意しておきたいのはフラッシュ脱毛機器が出力が弱いのではなく、エステサロンで使用されるものは弱いと言うことです。美容外科、クリニックでもフラッシュ脱毛を使用する院はあり、そこでは高い出力で脱毛を受けることができます。

 

毛周期

脱毛の仕組みが分かったところでいよいよ脱毛に時間や回数がかかる理由について見ていきます。ここでもそのための予備知識として「毛周期」を理解しておく必要があるので簡単にご説明します。

毛周期は馴染みのある言葉で言うとヘアサイクルのことで、3つのサイクルを常に繰り返しています。細かく分ければ5つ、6つとカウントすることもできますが知っておくべきは3つのサイクルですのでこれだけを理解しておきましょう。

  1. 成長期
  2. 退行期
  3. 休止期

毛周期は部位や体質によって差がありますが体毛では一般的に1年と言われています。一方髪については非常に長く3~5年程度と言われています。脱毛処理をするのは基本的に体毛なので毛周期は1年と理解しておいてください。

 

1.成長期:毛の始まりは毛母細胞と呼ばれる小さな種から始まります。この種が毛乳頭か皮脂腺より生み出されて毛穴の中で細胞分裂を起こします。毛穴にある他の組織から栄養やメラニン色素を受け取りながら毛が生成・成長されていきます。

2.退行期:退行期は文字通りそれまで成長していた毛が退行していく期間なのでこれまで細胞分裂によって伸びていた毛がストップして抜け落ちしていきます。退行期では毛球と毛乳頭が離れてしまっている状態なので抜けやすいのです。

3.休止期:休止期になると毛穴から完全に毛が抜け落ちている状態で、この間はまだ種の生成されていませんのでその細胞分裂も行われません。次の成長期を迎えるまでは毛穴の中身は皮脂だけで毛は全くない状態です。

 

これら3つのサイクルでどの時期にレーザー照射をすれば効果的なのかと言いますと1.成長期です。まだ毛が毛乳頭と密着している時にレーザーで熱を加えてそれを破壊することで毛の再生を難しくする仕組みです。

 

脱毛に時間と回数がかかる理由

おおよその話ですが成長期にある毛は全体の20~30%です。つまり1回の照射でレーザーが毛穴組織にまで効くのは全体の20%ほどだと言うことです。残りのものは毛自体が損傷して毛乳頭などは元気なのでまた毛が再生します。

そのため照射後に毛が抜け落ちてもまた生えてくる毛は7~8割あり、それらの毛が再度生えてくるのを待つために1~2か月ほど待つ必要があります。残った7、8割の毛が顔を出してきたところで再度照射し、また20~30%を減らします。

全ての毛穴が同じタイミングで成長期~休止期を迎えるわけではないのでそのように時期をずらして処理する必要があります。脱毛処理というのは医療レーザーでもフラッシュでもこれの繰り返しですので時間がかかるのです。

 

毛が濃いと回数が多くなる?少なくなる?

脱毛回数

一般的には毛が濃ければ濃いほど脱毛に時間がかかると思われているのではないでしょうか。確かに毛が濃いと言うことはそれだけ頑丈でしっかりとしているイメージなのでなかなか脱毛できないと思うでしょう。

しかしそれは正しくありません。

先ほどレーザー脱毛の仕組みを説明したように、レーザーは黒いメラニン色素によく反応します。メラニンが多ければ多いほど反応します。つまり濃い毛はメラニンを多く含んでいるので反応しやすく脱毛も容易になります。

 

一方で産毛はどうでしょうか。産毛は知っての通り非常に細くて弱いものなので、濃い毛に比べるとメラニンの含有具合がかなり少ないです。メラニンが少ないと言うことはレーザー反応が良くないので脱毛しにくいのです。

ただ、産毛だからと言ってレーザーで脱毛できないのかというとそうではなく、レーザーの出力を通常よりも強めることで脱毛することができます。産毛に対しては出力を強めたところでその痛みが増すこともほとんどありません。

 

毛が濃いとなかなかうまく脱毛できない、回数が多くなるというのは単なるイメージの話なのであまり気にする必要はないと思います。中には実際に毛が濃くてそのため回数が多くなった方もおられるでしょう。

脱毛の具合には濃さだけではなくその人の体質も大きく関わっているので実際に脱毛処理を受けてみないとどれくらいの出来具合になるのかはわかりません。なので「濃さ」だけで回数の心配をしなくても大丈夫です。

特に脱毛を受け始めの頃は照射してもらったのに全然効果がないと不安になることもあります。レーザー、フラッシュ脱毛は基本的に回数を重ねて初めて効果が実感できるものです。女性の毛なら平均3~5回くらいでしょう。

1回、2回の通院で脱毛できるのならそれに越したことはないですがどこのエステサロン、美容外科でも脱毛を実感できるまでに期間、回数が必要になりますので焦らずにじっくりと時間をかけることを覚えておいてください。