脱毛 ニキビ

レーザー脱毛や美容外科で行われる強い出力のフラッシュ脱毛を受けると施術後はある程度赤みを帯びることがあります。これは強い出力で毛穴組織を破壊して毛が生えてこないようにする永久脱毛をする上では仕方のないことです。

レーザー、フラッシュを受けた毛は瞬時にして高熱を持ってダメージを受けます。この時肌の負担を減らすようにレーザー脱毛では冷却剤の噴射が、フラッシュでは事前にジェルを塗ることがありますが、それでも多少負担はあります。

そのため施術後は大きな腫れにはならないものの、赤みを帯びて小さいニキビの様にほんの少し腫れることがあります。赤みや腫れは放置すると黒ずみ、色素沈着の原因になりますのでなるべく早く対処せねばなりません。

もちろん美容外科ではそうならないように専用のステロイド外用薬を使用します。ステロイドと聞くとこれこそ肌への負担が大きくダメージの元になるのではと思うかもしれません。しかし、黒ずみ・色素沈着を防ぐために非常に重要なお薬なのです。

 

色素沈着が起こる理由

色素沈着はシミや黒ずみのようなもので、よく知られているのが紫外線の影響によるものです。基本的にシミは陽の光や年齢などの自然の影響によってできるもので、色素沈着は火傷や炎症といったものの影響でできます。

呼び方こそ違いますがそれができてしまうメカニズムはほとんど同じです。違いと言えば自然の影響でできるシミは薄く広範囲に出来てしまうこと、火傷・炎症による色素沈着はそれができたところに濃く集中的に起こることです。

 

色素沈着もシミも原因になっているのはメラニン色素と呼ばれるもので私達日本人の肌には普通の状態でもこれが含まれています。ただ、外部からの強い刺激を受けるとそれに反応して皮膚の中でメラニンが大量に生成されてしまいます。

ヒトの肌は表面から順に角質層、表皮、真皮、皮下組織という形で層になっており、メラニン色素を生成する元であるメラノサイトは真皮に存在しています。このメラノサイトが1か所に対して多くのメラニンを運ぶと色素沈着が起こります。

 

肌に欠かせない役割を果たす

ここまで見るとメラニンやメラノサイトは悪でしかない印象を持ちますが、本来は良い働きをするものです。例えば紫外線を受けていると判断すればメラニンが万遍なく作られ、これが紫外線を吸収し、他の皮膚細胞が紫外線を吸い込まないように働いてくれます。

一日中太陽の光に当たっていると日焼けしますが、これは紫外線の影響を感知してメラノサイトが働き出しメラニン色素が全身でムラなく生成されるからなのです。つまり全身でメラニンによるバリア機能が発動している状態です。

赤道に近い国やその他暑い国では日本人よりも皮膚が黒い方が多いイメージですが、これはほぼ一年中太陽の光を浴びる彼らの肌を紫外線のダメージから守るためにメラニン色素が皮膚に大量に存在しているからなのです。

 

火傷・炎症時にもメラニン出動

そしてメラニンは紫外線を吸収して排出するだけでなく、外的な刺激や傷によって炎症が起こった個所でも作られて、日焼けの場合とは反対に色素がその部分に集中します。そのため黒ずみに近い色素沈着が起こってしまいます。

炎症に対してメラニンがどのように機能しているのかは明確になっていませんが、炎症による菌の発生・増殖を抑えるために※活性酸素が作られ、さらにその活性酸素が過剰にならないようにするためにメラニンが作られ、活性酸素を抑えると考えられています。

(※活性酸素は皮膚に住む常在菌の様に一定量であれば体にとって良い働きをしてくれるものです。)

 

脱毛後の炎症とステロイド外用薬

ステロイド

脱毛、特に永久脱毛の処理では高い出力で毛に熱を持たせるので肌も一部ダメージを受けます。火傷まではいきませんが熱によって肌に負担がかかり赤みを帯びたり少しと腫れたりまします。

熱でそうなるため一番処方は冷やすことで、実際に脱毛直後は冷やしたタオルやアイスバッグで処理を受けた個所をアイシングします。冷やすことで熱の広がりを抑えると同時に負担を受ける範囲の広がりも抑えられるのです。

 

ステロイドの効果

ステロイドと聞くと、これの力が強力なので肌に色素沈着が起こってしまうのではないかと言われることがありますがこれは間違いです。確かにステロイド外用薬は強力ですがこの成分のせいでメラニンの生成が起こることはありません。

ステロイドの使用で色素沈着が起こったと言われている方の場合、そもそも炎症が起こってから適切な処置をするのが遅くなり、その間にメラニンが生成されてしまっているケースがほとんどです。治療せずに時間が経てばたつほど色素沈着はひどくなります。

 

ステロイド外用薬の成分は一般的にデキサメタゾンなどの抗炎症作用を持つ成分が配合されており、炎症後すぐに使用することで腫れや赤みを抑えます。強い抗炎症作用なのでメラニンが生成されて色素沈着が起こる前に炎症を抑えられます。

当然ですがステロイド外用薬の処方をできるのは医師や薬剤師、またはそれらの指示を受けた看護師であり、資格を持っていないスタッフでは処方できません。つまり医療機関での脱毛処理後には塗布してもらえますが、エステサロンでの処理後は使用してもらえません。

 

過去にステロイド外用薬で刺激を受けた場合

医療脱毛の処理直後は基本的にどこの院でもステロイド外用薬を塗布します。なぜなら早めに炎症を抑えることが色素沈着・黒ずみを防ぐために最良の方法だからです。

ただし、その作用が強いので肌が弱い方は副作用として刺激を感じたり肌荒れや発疹が起こることがあります。これ以外にも塗布した周囲から汗がにじんで来たり、何らかの異常が起こり肌に合わない方もおられるようです。

万が一あなたが過去にステロイド外用薬、その他の軟膏薬を塗布して肌のトラブルを経験したことがあるなら、必ず脱毛処理前のカウンセリングで医師か看護師に伝えましょう。その場合ステロイド以外の軟膏薬を用意してもらえます。

また、通常は処理後に一度ステロイドを塗布するだけで次の日には炎症がほぼ治まりますが、処理後5日以上炎症が引かないようでしたら一度診療を受けて、次回以降は外用薬を持ち帰りできるかどうか相談しましょう。