シャンプー 育毛

毎日のシャンプーの度に流れていく自分の髪の毛を見て、その量にため息をついてしまっていませんか。

市販されている育毛シャンプーの種類も多く、正直何を買ったらよいのかわからない、あるいはテレビコマーシャルの出演者が効果があると言っていた、ビフォーアフターの写真でも明らかに増えていたから期待できそうなどという理由でシャンプーを選んだことはないでしょうか。

また、頭皮の脂をしっかり落とさないと薄毛になると聞くことも多いことから、皮脂が落ちすっきりとした洗い上がりのシャンプーを選ぶ人も多いと思います。

薄毛が気になりだしたら色々な情報を集めて少しでも進行を遅らせる方法や改善策を考えなくてはいけないと思うでしょう。

今回は、薄毛対策のひとつといわれている育毛シャンプーについてみていきます。

また、気になる皮脂と薄毛の関係についても考えてみましょう。

頭皮の皮脂が多いと薄毛になるのか

薄毛 発毛 シャンプー

頭皮には皮脂が多いので育毛の邪魔になる、または脂っぽいと薄毛や若ハゲ等のいわゆる男性型脱毛症(AGA)になるためシャンプーで皮脂をしっかりと落とさなくてはならないなどと聞いたことがあると思います。

特に頭皮は一番皮脂が多い部位で身体全体の皮脂腺の約6割がここに存在しているといわれています。

では、その皮脂は薄毛や抜け毛、AGAと関係があるのでしょうか。

 

まず皮脂の一般的な働きをおさえておきましょう。

皮脂を身体中に張り巡らされている皮脂腺から分泌されており、皮膚表面や毛穴付近にあるアクネ菌により脂肪酸とグリセリン(アルコール)に分解され、皮膚の表面に現れると薄い脂の膜になります。これを皮脂膜と言い天然の保湿クリームと言われるほど高い機能を持っています。

皮脂膜の大きな役割としては皮膚を乾燥や外部刺激、雑菌や細菌の侵入を防ぐことがあげられます。

そして、頭皮の皮脂は毛根(毛穴内に隠れている毛の部分)から髪の毛としてのびる際に一緒に髪の毛についた状態で伸びていきます。

頭皮の皮脂は髪の毛1本に対して5%ほど含まれており健康で艶やかな髪の毛になるために不可欠なものであり、また頭皮を弱酸性に保つという大事な役割をもっているのです。

 

一方、薄毛やAGAの原因は食生活や生活習慣の乱れ、過剰なストレスの影響などがあげられ、これらの要因が最終的にホルモンの分泌や薄毛を引き起こす物質に関係してきます。

男性ホルモンが強いとハゲるということを耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。

男性ホルモンがAGAに大きな影響を与えていることは確かですが、これが直接AGAの原因になるわけではありません。

 

男性ホルモンの中のテストステロンというホルモンが頭の前頭から頭頂部にかけての毛乳頭(毛根の先端部分)にあるⅡ型5a-リダクターゼという酵素と結びつくことでDHT(ジヒドロテストステロン)に変換され、これが結果的に薄毛や抜け毛がを引き起こし、頭皮全体でDHTによる攻撃が進行するとやがてAGAになるとされています。

確かに分泌された皮脂を何日も洗わずに放っておくと酸化して悪玉の菌が繁殖しやすくなりますが、毎日適切なケアをしていればそうなることはありません。

したがって皮脂や皮脂の分泌量はホルモン、DHT、ひいてはAGAにほぼ関係のない話ですので、それ自体で薄毛、抜け毛にはならないと言えます。

育毛シャンプーはAGA改善の効果があるのか

AGA 改善

結論から言いますと育毛シャンプーは育毛効果をうたっていても、毛穴の奥で眠っている毛母細胞を蘇らせるようなAGA改善効果は期待できません。

育毛シャンプーそのものでの発毛効果は期待できないのです。

 

なぜならAGAの原因がジヒドロテストステロンやⅡ型5a-リダクターゼという酵素であり、その男性ホルモンや酵素に直接働きかけるものでなくては効果が得られないからです。

確かに不要な菌や皮脂が多く存在すると毛穴や頭皮にとって悪影響になりますので、適切なシャンプーを使用して衛生的に保つ必要があります。

しかし育毛シャンプーの役目はあくまでも「発毛のための環境づくりをする」ことに過ぎません。

つまり市販のシャンプー(育毛効果をうたっているものも含め)には男性ホルモンや酵素に働きかける成分は配合されていませんので、使用すればすぐに髪が生えると言うことはありません。

育毛シャンプー本来の役目は不要な皮脂・汚れを取り除き健常な頭皮環境を保ち、髪が育ちやすい状況を維持することなのです。

 

一部のシャンプーの宣伝では『皮脂の影響で薄毛になる、皮脂は悪者だ』と決めつけてしまっているものがありますが、先ほど見た通り皮脂は非常に重要な働きをしますので必要以上に皮脂を洗い流すとかえって悪影響で、頭皮を乾燥させてしまい健全な頭皮環境を作り出せなくなります。

もちろんシャンプー自体は決して悪いものではありません。

 

汗やほこり程度ならば水だけでも十分に洗い流せるのですが、余分な皮脂や皮脂についた雑菌、整髪料などはシャンプーを使わなければ落ちません。

古くなった皮脂や雑菌、整髪料は健常な頭皮には必要ないものなので、シャンプーを使用することで健やかな頭皮環境を作り育毛しやすい環境を作り出すことができるのです。

頭皮環境を整えるためには頭皮の油全てをごっそりと取るシャンプーではなく、必要な皮脂を残し不要な皮脂・汚れを取り除くシャンプーが適切なのです。

では、どのようなシャンプーが不要な皮脂などを取り除き「育毛・発毛しやすい頭皮環境」にしてくれるのでしょうか。

シャンプーの種類

頭皮環境

シャンプーは髪の毛だけを洗うものではありません。

実は毛を洗うだけでなく頭皮をも洗うものなのです。育毛しやすい環境を作り出すために使うものですから配合されている成分により本当にその効果があるのか、逆に悪影響があるのではないか等しっかりと確認して購入したいものです。

シャンプーの主成分は界面活性剤と水です。

 

この界面活性剤が髪の毛や頭皮に大きな影響を与えるもので、界面活性剤は頭皮や髪の毛を洗浄する成分でこれに含まれる配合物によりシャンプーは大きく5つに分けることができます。

  1. 高級アルコール系界面活性剤
  2. アミノ酸系界面活性剤
  3. ベタイン系界面活性剤
  4. ノニオン界面活性剤(非イオン性界面活性剤)

天然界面活性剤は字のごとく天然の成分が配合されていますが、それ以外の4つの界面活性剤は化学的な合成界面活性剤といわれます。

これら5つの界面活性剤シャンプーの特徴についてみていきましょう。

1.高級アルコール系界面活性剤

高級アルコール系界面活性剤

高級と名前がついていますが、高級なアルコールが含まれているという意味ではありません。

アルコールに含まれている炭素数が多いものを高級、炭素数が少ないものを低級と呼ばれています。

高級アルコールの方が低級アルコールと比べて泡立ちが良く、市販のシャンプーで安価なもの、一般的なものはほとんどのものがこの高級アルコール系の界面活性剤が配合されています。

 

高級アルコール系界面活性剤の代表的なものがヤシ油などに含まれているラウリン酸に硫酸を加えて作った「ラウレス硫酸Na」と「ラウリル硫酸Na」です。

これら硫酸は非常に刺激の強いもので、皮膚や髪の毛にとってあまり良くない影響を与える可能性があるといわれています。

洗浄力も強いため、皮脂を過剰に取り除いてしまいます。また、毛穴や皮膚表面の皮脂膜までを洗い流してしまうため、頭皮や髪の毛の乾燥が進み、乾燥を防ごうと皮脂の分泌が盛んになり過ぎて余計に脂っぽさを感じるようになります。

 

その脂っぽさを取り除くために洗髪を繰り返しす悪いサイクルに陥ることになり、頭皮や髪の毛にも艶がなくなり頭皮環境にも悪い影響を与えてしまっているのです。

ラウレス硫酸Na、ラウリル硫酸Naなどの高級アルコール系界面活性剤が配合されたシャンプーは頭皮や髪の毛が気になる、あるいはAGAで悩んでいる方には間違いなくお奨めできないシャンプーということになります。

2.アミノ酸系界面活性剤

アミノ酸系界面活性剤

髪の毛の主成分はケラチンというタンパク質で、ケラチンは18種類のアミノ酸で構成されています。

アミノ酸系界面活性剤はこのケラチンに含まれているアミノ酸を使用しているものです。

例えば、ココイルグルタミン酸やココイルアラニンが代表的なものです。

 

ココイルというのはヤシ油から抽出した脂肪酸のことをいい、ココイルグルタミン酸もココイルアラニンもともにヤシ油の脂肪酸を使用しています。(ココイルがグルタミン酸やアラニンと結合して、ココイルグルタミン酸やココイルアラニンとなります。)

グルタミン酸は髪の毛に欠かせない様々なアミノ酸の働きを助けるとともに髪の毛のダメージを修復する働きがあり、アラニンは髪の毛の艶を維持し頭皮の乾燥を防ぐ働きなどがあります。

アミノ酸系界面活性剤は髪の毛を作っているアミノ酸系の原料で作られていますので、髪の毛と頭皮を刺激することなく優しく洗うことができます。

 

また頭皮に限らず人の肌は常に弱酸性でpH(ペーハー)5.0ほどに保たれています。

読んで字のごとく弱めの酸性ですが、その酸の力で肌に必要ない菌や汚れを殺菌して私たちの肌を守ってくれているのです。

当然頭皮を洗浄するジャンプーも人の肌と同じ程度のpH度数であればあるほど刺激が少なく、逆にpH5.0前後からかけ離れれば離れるほど洗浄力は強力になりますが皮膚への負担は大きくなります。

先ほど挙げた通りアミノ酸シャンプーの成分はココイルグルタミン酸やココイルアラニンなどの「ココイル~」と名の付くものがほとんどで、成分表示にこれらの名前があれば(洗浄の界面活性剤として使用されていれば)頭皮に優しいアミノ酸シャンプーだと言えます。

一方高級アルコール系シャンプーは弱アルカリ性のものがほとんどで、弱酸性の頭皮に使用しても健常な頭皮であれば皮脂などの働きにより頭皮は弱酸性の状態に戻ることができますが、年齢や体質によって元の状態に戻るのに時間がかかり、その分外からの刺激を受けやすい状態が続きます。

そもそもpH4.0~6.0ほどの弱酸性の状態を作っているのは皮脂や皮脂膜であり、洗浄力が強いアルカリ性(高級アルコール系シャンプー)で必要な皮脂まで取ってしまうのは頭皮を健常に保つ機能を取り上げてしまっているのと同じです。

 

そのため抜け毛・薄毛が気になり頭皮環境を気遣う方は弱酸性であるアミノ酸系シャンプーや、これから下に挙げるベタイン系やノニオン系シャンプーの使用をおすすめします。

3.ベタイン系界面活性剤(両イオン性界面活性剤)

ベタイン系界面活性剤

ベタイン系界面活性剤はまたの名を両イオン性界面活性剤とも呼ばれています。

水に溶けると水の性質により反対のイオンになるつまり、酸性の水に溶けると陽イオンになり、アルカリ性の水に溶けると陰イオンになるという性質を持った界面活性剤です。

利点は水の性質を選ばないというところにあり、水がアルカリ性であっても酸性であっても洗浄力が落ちることがないのです。

 

代表的なものはラウラミドプロビルべタイン、コカミドプロピルベタインがあります。

名前からおわかりのように最後にベタインがついているのが特徴です。刺激が少ない原料であり、洗浄力も強すぎず、単独での使用よりも他の界面活性剤と合わせ配合されていることが多い界面活性剤です。

4.ノニオン界面活性剤(非イオン性界面活性剤)

ノニオン界面活性剤

ベタイン系界面活性剤と同じくノニオン界面活性剤も他の界面活性剤の補助的な役割として配合されることが多い界面活性剤です。名前の後ろにエタノールアミンの略としてEAと記載されているものがノニオン界面活性剤と分類されます。

例えばコカミドDEAなどが代表的なものです。上記のものとは別に、糖を原料にして作られた配糖体が配合されたものもノニオン界面活性剤に分類されます。洗浄力もやわらかいのが特徴です。

洗浄力が弱いとダメなのか

洗浄力

高級アルコール系界面活性剤が最も洗浄力が強く、アミノ酸系界面活性剤、ベタイン系、ノニオン、天然と順に洗浄力が落ちて弱くなります。

既に述べたように皮脂を過剰に取り除いてしまうことは頭皮の乾燥を招き、頭皮環境や育毛に良くない環境を作り出してしまうため低刺激、低洗浄力のものを選ぶ方が良いでしょう。

 

ただ、洗浄力が強くないアミノ酸系、ベタイン、ノニオン、天然などのシャンプーは高級アルコール系のものに比べると泡立ちが少なく、これまで良い泡立ちに慣れてしまっている方にとっては物足りなさを感じると思います。(本来は物足りないくらいがちょうど良いのです。)

また高級アルコール系以外の界面活性剤シャンプーは生成コストがかかり、ラウレス硫酸Naなどを含有したシャンプーよりもお値段が高いものがほとんどです。(量にもよりますが3000円程度かそれ以上。)

 

しかし皮脂は育毛に邪魔なものではなく必要なものです。

多少お値段がかかっても適度な洗浄力で刺激の少ないシャンプーを選んで不要な汚れを取り除いて必要な皮脂は残し、健全な頭皮環境を目指しましょう。

健全な頭皮ができて育毛の準備が整うのです。

薄毛やAGAについて正しい知識を持ち、さらにはシャンプーの界面活性剤の種類と性質についても理解をして育毛に向いたシャンプーを目指しましょう。